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高校野球

今年の高校生選手は大豊作。大本命「高校BIG4」はどこへ行く?

ドラフト展望「高校生編」

■大本命は「高校BIG4」

 今年の高校生投手は、今夏の甲子園を大いに沸かせた「BIG4」を中心に回ると予想される。寺島成輝(履正社)、高橋昂也(花咲徳栄)、藤平尚真(横浜)、今井達也(作新学院)の4人だ。
 寺島は、左腕から繰り出す最速150キロのストレートを軸に、多彩な変化球を織り交ぜるピッチングが持ち味。負けん気の強さと状況を見極める冷静さを併せ持ち、確実に要所を締める。試合をつくる能力に優れた投手だ。
 寺島と同じ左腕の高橋は、最速152キロの球質が重い直球を武器とする。今春のセンバツでの初戦敗退をバネに、夏の甲子園では心身ともにスケールアップした姿で見事な復活を果たした。制球力に不安を抱えるものの、大化けする可能性を秘めている。
 藤平は、球持ちの良い投球フォームから投じる剛速球が最大の魅力。中学時代に走り高跳びでジュニア五輪優勝を果たすなど、全身がバネのような高い身体能力を誇る。186センチ84キロの恵まれた体格はまだまだ発展途上で、ポテンシャルは無限大だ。

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 この前評判の高かった3人を押しのけ、夏の頂点へとチームを導いたのが今井だ。ミットへ突き刺すようなスピンの利いた快速球と、終盤でも球威が衰えない驚異のスタミナを誇る。体つきはやや細いが、剛柔兼ね備えた世代トップランカーの投手といえるだろう。

■実力、将来性ともに豊作の投手陣

 今年の有力投手は、「BIG4」のみにとどまらない。左腕の堀瑞輝(広島新庄)は、威力抜群の直球と切れ味鋭いスライダーのコンビネーションで、三振の山を築く。U-18アジア選手権では、リリーフエースとして快投を披露し、優勝の立役者となった。
 堀に続く左腕としては、最速154キロを誇る直球で打者を牛耳る古谷優人(江陵)や、角度のあるストレートを持ち味とする高山優希(大阪桐蔭)、そして1年夏から甲子園のマウンドを経験した大江竜聖(二松学舎大付)の名前が挙げられるだろう。
 右腕では、資質の高さが光る本格派が際立つ。浮き上がるような快速球を武器に日本代表でも活躍した島孝明(東海大市原望洋)。最速154キロを計測する威力抜群の剛球で打者をねじ伏せる高田萌生(創志学園)。188センチの長身を誇る山崎颯一郎(敦賀気比)は、総合力の高さが大きな魅力だ。藤嶋健人(東邦)は、力強い直球を武器に堂々としたマウンドさばきを見せる剛腕。打者としても高い能力を備えるが、プロの舞台では投手一本で活躍を目指す。
 他にも、大きな伸びしろを秘める長井良太(つくば秀英)。強気の真っ向勝負が魅力の梅野雄吾(九産大九産)。最速151キロの直球と豊富な変化球を操る山本由伸(都城)など、知名度では甲子園出場組に劣るものの、実力のある好投手が全国にひしめく。

■将来性豊かな粒ぞろいの野手陣

 野手陣では、高い将来性を秘める多士済々な顔ぶれがそろった。
 松尾大河(秀岳館)は、優れたミート力を持つ右の安打製造機。華麗なグラブさばきと軽快なフットワークを見せる遊撃守備も大きな魅力だ。U-18アジア選手権では首位打者に輝くなど、木製バットへの高い適応能力も見せる。
 同大会で中軸として打線をけん引した鈴木将平(静岡)は、走攻守3拍子そろった世代屈指の外野手。3年夏は甲子園未出場ながらも日本代表に選出された実力を持つ。
 また、今井順之助(中京)や天本昂佑(秀岳館)は、豪快なフルスイングでアーチを描く将来のスラッガー候補。さらに、三森大貴(青森山田)、石垣雅海(酒田南)、高橋優斗(愛工大名電)なども、十分な実績と秀でた才能を持つ好打者だ。
 捕手では、抜群の統率力でチームを春夏連続の甲子園ベスト4進出に導いた九鬼隆平(秀岳館)が最も注目を集める。勝負強い打撃と巧みなリードが光る古賀優大(明徳義塾)や高校生離れした素早いスローイングを見せる坂倉将吾(日大三)、複数のポジションをこなす器用さを持つ郡拓也(帝京)などが、九鬼に続く存在だろう。
 そして今年は、前述の藤嶋も含め「二刀流」プレーヤーの活躍も目立った。細川成也(明秀日立)は、投げては最速146キロをマーク、打っては高校通算63本塁打と抜群の野球センスを誇る。191センチの長身で投打の柱を担った千葉耕太(花巻東)は、OBの大谷翔平(現・日本ハム)を想起させる好素材だ。今後どのような道を歩むのか、彼らの動向にも注目が集まる。

※データは全て2016年10月11日終了時点