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社会人野球

即戦力揃う大学生投手。最大の注目は田中(創価大)の指名球団数!

ドラフト展望「大学生編」

■田中正義は何球団から指名を受けるのか

 昨年は、早稲田大卒の茂木栄五郎(現・楽天)や明治大卒の高山俊(現・阪神)など、野手の逸材が豊富にそろった大学生。だが今年の即戦力候補は投手が中心となりそうだ。
 最大の焦点は、「田中正義(創価大)が一体何球団に指名されるのか」ということだろう。3年時に行われた大学日本代表とNPB選抜の一戦では、プロの若手有望選手を相手に7者連続奪三振を記録。最速156キロのストレートと縦に鋭く落ちるフォークで、奪三振能力の高さを見せ、視察に訪れたスカウトたちをうならせた。しかし全てが順調というわけにはいかず、4年春に右肩を故障。秋のリーグ戦では元気な姿を見せているものの、右肩の状態が評価にどう影響するかも注目したい。

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 次いで関心を集めているのが、最上級生になって一気に評価を高めた佐々木千隼(桜美林大)だろう。スリークオーター気味のフォームから投げ込む最速153キロのストレートに加え、変化球も精度が高い。4年時には春秋通じて53イニング連続無失点をマーク。これは菅野智之(当時・東海大、現・巨人)に並ぶリーグタイ記録となるなど、こちらも1位指名が競合する可能性は十分ある投手だろう。
 もう1人の注目右腕・柳裕也(明治大)は、強い足腰を土台としたフォームから、安定したコントロールを誇る。リーグ史上15人目となる通算300奪三振を達成するなど、実績は十分だろう。チームのみならず大学日本代表でも主将を務めるなど、責任感の強さも持ち合わせる。

■3人を追う剛腕たち

 この3人に限らず、今年の大学生には最速150キロ以上のストレートを持つ右腕が多い。191センチ102キロの巨漢・中塚駿太(白鴎大)は、今年の全候補の中で最速の157キロの直球を投げ込む。4年秋には初完封を記録するなど、今最も勢いがある投手だろう。3年時の全日本大学野球選手権でチームを準優勝に導いた生田目翼(流通経済大)は、最速155キロのストレートと度胸満点のマウンドさばきが光る。そのほかにも黒木優太(立正大)や、注目の田中正とチームメートの池田隆英(創価大)は完成度が高い。また伝統ある東京六大学に目を移しても、加藤拓也(慶応大)や星知弥(明治大)、田村伊知郎(立教大)といった面々がそろっている。

■高い奪三振能力を有するサウスポー

 一方、左腕に目を移すと、三振を奪う能力が高い2人に注目が集まる。1人が笠原祥太郎(新潟医療福祉大)だ。最速147キロの速球と鋭く曲がるスライダーを武器に、3年秋には73奪三振のリーグ新記録を樹立し、一躍脚光を浴びた。もう1人である濱口遥大(神奈川大)は、最速151キロのストレートと落差の大きいチェンジアップが武器。2年時から3年続けて大学日本代表に選出されており国際大会での登板も多い。その中で身につけた豊富な経験も大きな強みだろう。

■3人のショートを中心とした今年の野手陣候補

 野手では京田陽太(日本大)や吉川尚輝(中京学院大)、 石井一成(早稲田大)の評価が高い。チームではそれぞれ遊撃を任されているが、堅実な守備力が持ち味の京田、ダイナミックなプレーで魅せる吉川、広角に打ち分ける打撃の石井と特徴は三者三様だ。
 スラッガータイプでは、大学日本代表の4番を務める大山悠輔(白鴎大)は見逃せない。4年春にリーグ新記録となる8本塁打、同タイ記録の20打点をマークするなど大爆発。またリーグの通算安打記録を更新した松本桃太郎(仙台大)も、パワーとミート力を兼ね備えている好打者だ。
 外野手では、優れたミート力を見せる佐藤拓也(立教大)、並はずれた身体能力が売りの田中和基(立教大)の立教コンビや、アマチュアNo.1の飛距離を持つと評判の森山恵佑(専修大)など、個性豊かな選手が指名を待っている。

※データは全て2016年10月11日終了時点