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社会人野球

創価大・田中に大学唯一の黒星をつけた大学生。生田目 翼(流通経済大)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

生田目 翼 なばため・つばさ
水戸工高→流通経済大
投手・右投右打・174センチ76キロ・1995年2月19日生(21歳)

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 大柄ではないが体全身を使って、勢いよく放たれるストレートの最速は155km/h。常時でも140km/台後半で押していく投球が持ち味だ。キレ味鋭いスライダーやスプリットなども武器で、3年春にはチームを全国準優勝に導いた。
 大学入学当初は、投手への意欲は低く、数ある誘いの中から流通経済大を選んだのも「ショートをやらせてもらえると聞いたのですが」と本人は苦笑いを浮かべる。
 だが、2年春からエース格を任され、創価大・田中正義に1対0で投げ勝つなど(田中の学生時代の黒星はこの試合のみ)頭角を現すと、練習にも意欲的に取り組むようになった。全日本大学野球選手権の初戦突破後に「走るのが嫌いなので、卒業後は公務員になりたい」と報道陣に軽く話したことが大きく広まってしまったが、「練習嫌いは過去の話」というのが首脳陣の声だ。
 特に、現在の生田目の成長に欠かせない存在となっている玉田淳投手コーチは、生田目の第一印象を以下のように語る。
「練習嫌いという話を聞いていたのですが、キャンプでも一生懸命先頭に立ってやるような子なので、それは違うなとすぐに思いました」

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 玉田コーチは3年春のシーズン前に就任。前任の日本通運時代は牧田和久(西武)や武田久(日本ハム)ら7名もの投手をプロに送り込んだ名伯楽だ。生田目も玉田コーチの指導を仰ぎ「力の抜くところと勝負するところ、変化球の使い方など引き出しが増えました。変化球の握りもほとんど玉田さんに教えてもらったものです」と全幅の信頼を寄せる。
 昨秋に右ヒジの靭帯を痛め、今春には右肩に違和感を覚えた際も、復帰を焦る生田目を諭し、将来の芽を摘まぬよう慎重に調整を進めてきた。
 そして、今秋のリーグ戦では救援登板から始まり、10月10日の高千穂大戦で先発に復帰。9回1失点完投勝利で復調ぶりをアピールすると、15日の創価大戦でも6回途中4失点ながら最速148km/hを計測するなど本来の投球に近づきつつある。
 昨年のようなストレートを中心とした闘志あふれる投球ができるようになれば、プロ球界での活躍も見えてくる。「ドラフト3位以下なら社会人」と高いハードルは設けているが、それをも超えていける存在感を示しており、20日のドラフト会議では、どのタイミングでその名が呼ばれるか楽しみだ。

文・写真:高木遊

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