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社会人野球

侍大学代表に3年連続で選出された好左腕。浜口 遥大(神奈川大)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

浜口 遥大 はまぐち・はるひろ
三養基高→神奈川大
投手・左投左打・173センチ81キロ・1995年3月16日生(21歳)

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全身を使ったダイナミックなフォームから、最速151km/hのストレートとブレーキの利いたチェンジアップを武器に、侍ジャパン大学代表に3年連続で選出された好左腕。ポーカーフェイスとはまったく無縁の気迫あふれる投げっぷりも大きな魅力だ。

こうした姿に中日・中田宗男スカウト部長は「ボールが続いたとしても絶対に置きに行かないでしっかり投げる。このアグレッシブさが、最大の魅力でしょう」と評価する。

こうした攻めの姿勢は、やや遅咲きながらも着実に成長を続けてきた証だ。中学時代は外野手で、三養基高入学時は野球をやるつもりはなかったが、先輩が「何もすることないなら、練習来いよ」と誘ってくれたおかげで入部。ただ、早生まれの影響からか、なかなか芽が出ることはなく、高校最後の夏も佐賀大会3回戦で姿を消した。しかし、神奈川大・古川祐一監督に「当時はストレートの球速は平均で130キロ台中盤でしたが、活きの良いボールを投げていました」と評価され神奈川大へ進学。1年夏に現在の武器であるチェンジアップを習得し、その冬に地道な走り込みで下半身を強化すると、翌春に眠っていた潜在能力が一気に覚醒する。

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4勝0敗の成績でリーグ優勝に貢献し、野球人生初となった全国大会となった全日本大学野球選手権では、2回戦で慶應義塾大を9回5安打1失点に抑えるなどチームを牽引し、全国準優勝の快進撃を果たした。

これで一気に注目度を上げると、侍ジャパン大学代表にも選出。この辺りから浜口の中でプロが憧れから目標の舞台になったという。そして、3年春にもチームを全国4強に導くなど実績を積み重ねた。

そして迎えた大学ラストシーズンの今秋。浜口は更なる進化を見せている。開幕節の春季王者・桐蔭横浜大との試合では1回戦で先発し10回1失点、2回戦で抑えとして登板し1回無失点と、2日続けて好投し勝ち点獲得に貢献。これで勢いに乗った神奈川大は勝ち点5の完全優勝を果たした。

浜口の成長は技術面だけではないと語るのが、浜口を見いだし育ててきた古川監督だ。「自分だけのペースで野球をやることが少なくなりましたね。ベンチに戻っても“それで最後まで体力が持つのかな?”というくらい声を出しています」と目を細める。

最後のリーグ戦を優勝で終え、浜口は「注目はあえて気にしないようにして、一戦一戦集中できました。応援してくれる仲間のためにも優勝できてよかったです」と、マウンドで見せる鬼気迫る表情とは打って変わった優しい表情を見せた。

次なる照準は、2年前にあと一歩届かなかった日本一。無名の自分をドラフト上位候補にまで育ててくれたチームに最高の置き土産を残すべく、神奈川大・浜口の挑戦は続く。

文・写真:高木遊

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