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大学生ドラフト候補で最も評価を高めた即戦力右腕。佐々木 千隼(桜美林大)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

佐々木 千隼 ささき・ちはや
日野高→桜美林大
投手・右投右打・181センチ83キロ・1994年6月8日生(22歳)

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スラッとした均整のとれた体格と精悍な顔立ち、打者に立ち向かっていく気迫十分の投球スタイルなど、スター選手となる要素を十二分に持ったドラフト1位候補右腕だ。

スリークォーターハンドから最速153km/hのストレートを投じ、変化球もスライダー、フォーク、シンカー、ツーシームと多彩。これをストレートと同じ腕の振りから投げ込むことができる。

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特に今年は、大学生ドラフト候補の中で最も評価を高めたと言っても過言ではない華々しい活躍を見せた。侍ジャパン大学代表として出場した7月の日米大学野球では開幕投手に抜擢され、7回3安打1失点12奪三振と好投するなど2試合に登板し優勝に大きく貢献。MLB予備軍ともいえる大学米国代表を翻弄した。

桜美林大では、2008年に準硬式野球部から硬式野球部に移行したばかりの若いチームを牽引し、東海大や日体大といった伝統校が揃う首都大学リーグで好投を続けている。春に挙げた4勝はすべてが完封、3敗はすべて0-1での敗戦という不動の安定感を見せ、防御率は脅威の0.27。秋は10月14日現在で3完封を挙げており、2011年に菅野智之(東海大/巨人)が樹立した年間7完封に並んだ。

佐々木がここまで成長できた要因は、津野裕幸監督が「本当に素直で、純粋に野球好きなんだなと感じます」と語る佐々木のひたむきな姿勢と、プロ野球界で投手として大活躍した2人の特別コーチの存在も大きい。

2年まで指導を受けていたのは、巨人で活躍しMLBのパイレーツでもプレーした桑田真澄氏。当時、制球力のなかった佐々木は、コントロールの大切さを特に教わったといい、桑田氏は自ら見本を見せることもあれば、「ゾーンの上下を意識する時、内外のコースを意識する時、その両方を狙う時がある」と場面に応じた意識の持ち方も丁寧に教え込んでもらったのだという。

そして3年時からは、横浜で活躍した野村弘樹氏が特別コーチに就任。力の入れどころや体重移動を手取り足取りで指導してもらい、登板までの調整などを惜し気もなく伝授した。

こうして佐々木は、今や「即戦力右腕」との高い評価を受け、ドラフト指名を待つまでになった。今後さらにレベルの高いステージで、どんな刺激を受け、どんな成長をしていくかが今から楽しみでならない。

文・写真:高木遊

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