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近年好投手を輩出する東都大学2部リーグの本格派投手。黒木 優太(立正大)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

黒木 優太 くろき・ゆうた
橘学苑高→立正大
投手・右投左打・178センチ78キロ・1994年8月16日生(22歳)

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過去には黒田博樹(広島)、西口文也(元西武)、近年では戸根千明(日本大/巨人)、原樹理(ヤクルト)ら、多くの好投手を輩出してきた東都大学2部リーグ。脚光を浴びづらい2部とはいえ熾烈極めるリーグで揉まれ、上位指名を予想されるのが本格派右腕の黒木優太(立正大)だ。

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黒木は、橘学苑高の2年秋に強肩を買われて遊撃手から投手へ転向。そこから1年で最速146km/hのストレートを投じるまでになったが、高校時代は指名漏れ。心機一転、立正大では1年秋から登板機会を掴み、全シーズンを東都大学野球2部リーグで過ごしながらも、最速を153km/hにまで上げるなど成長を続けてきた。

そのストレートとともに、黒木の代名詞となるのがスライダーだ。もともと得意にしていた球種だったが、今では「ストレートとスライダーのみと考えている相手打者のイメージを崩したい」と変化のバリエーションを増やしており、縦・横・カットボール系・遅く曲がるものなど数多くの軌道を描くスライダーを投げ分けている。

球のリリースなどはやや不安定な部分を残すが、向上したマウンドさばきも見逃せない。

楽天・沖原佳典スカウトは「去年までは全部目いっぱいに投げているようでしたが、今年は力の配分ができるようになりましたね」と話す。また、バッテリーを組む捕手の小畑尋規(3年)は「(黒木さんは)視野が広くなりました。“自分が、自分が”というのではなく、ミスをしっかりカバーしてくれています」と、マスク越しから見た成長の実感を答えた。

今秋は、チームの1部昇格と自身のプロ入りという4年間掲げ続けた目標の達成がかかるシーズン。

春季リーグで走者と接触し右肩を脱臼した影響で調整は遅れたが、開幕カードとなった東京農業大との1回戦で抑えとして登板すると、最速150km/hを計測し三者連続三振で試合を締めた。また、雨天中止で中1日挟んだ2回戦では先発し8回4安打1失点。ストレートの威力も変わらず、復調ぶりを多くのNPB球団スカウトに見せつけた。秋はそこから勢いに乗り、好投を続ける姿に坂田精二郎監督は「チームのためにという気持ちがよく見えるようになりました」と大黒柱を称えている。

「ドラフトも気になりますが、まずはリーグ戦。後輩たちを神宮球場(1部リーグ)でプレーさせたいです」と、プロ入りを前にまずはチームの大黒柱としての役割を果たすことに全力を注ぐ。

文・写真:高木遊

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