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大学入学を機に投手へ再転向した“全球団の大本命”。田中正義(創価大学)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

田中正義 たなか・せいぎ
創価高→創価大
投手・右投右打・186センチ91キロ・1994年7月22日生(22歳)

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 手足の長さや体のバネを生かした、しなやかなフォームから伸びのある最速156km/hのストレートを投げ込み、今年のドラフト会議の目玉とされる大型右腕だ。

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 創価高入学後すぐにエースナンバーをつけるも、1年秋に右肩の関節唇を痛め外野手に転向。大学入学を機に投手へ再転向した過去がある。
 体づくりとフォームづくりを1年間重ねた後の、大学2年春に公式戦デビュー。すると、常時150km/hを超すストレートを制球良く投げ込み、相手を圧倒した。創価大の春秋連続となる全国4強入りに大きく貢献し、NPB球団スカウトも「(まだ2年生だが)今年のドラフトでも1位でしょう」と唸った。
 そして、さらにその真価を見せつけたのが、昨夏に行われた侍ジャパン大学代表のユニバーシアード壮行試合だ。岡本和真(巨人)らプロの若手有望株を集めたNPB選抜戦を相手に2番手として登板すると、打球が前にほとんど飛ばない。ストレートに狙いを張った打者のバットが次々と空を切り、4回を投げ7者連続三振を含む8三振を奪う無安打無四球投球を見せ、ファンと関係者の度肝を抜いた。
 さらに秋の明治神宮大会出場をかけた横浜市長杯準決勝でも、3点ビハインドの場面から2番手して登板し、4回2/3を投げ打者16人から11奪三振(1安打無失点)と圧巻の投球を見せた。

 ドラフトイヤーとなった今年は、主将に志願し就任。「野球だけの人間になりたくはない」とさらなる高みを目指したが、春季リーグ戦中に右肩の関節が緩み戦線を離脱。チームは3季連続で全国大会出場を逃し、田中はベンチから声をかけるしかできない、もどかしい日々を送った。
 一方で「自分だけのことを考えたら、若いうちに自分の体のことを知ることができたのは大きな経験」と前を向く。「チームにとって(春の戦線離脱は)最悪でしたが、悲観的になっているところをみんなに見せてもしょうがないので、自分のことに集中するしかありません」と、悲願の日本一に向け、誰よりもひた向きに自らの体と向き合ってきた。

そして、今秋のリーグ戦では本調子とは言えないながらも、きっちりと4勝(10月17日現在)を挙げ、昨秋以来となるリーグ優勝に貢献した。「まずはリーグ戦のことしか考えていませんでした」と話す田中。22日のドラフト会議では、優勝を決め、やや肩の荷が下りた状態で運命の時を待つ。

文・写真:高木遊

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