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ようこそ、株式会社NPB(日本プロ野球)へ 【第2回 球界の人気部署営業本部:読売ジャイアンツ 、阪神タイガース】

前回に引き続きドラフト会議を“株式会社NPB(日本プロ野球)という会社の選手配属先を決定する会議”と置き換えて
「どのチーム(部署)がどういう特色があるのか?」
「その特色を今回のドラフト会議でどう反映してあるのか?」
「その部署(球団)っぽい雰囲気に合致しているのか?」
という独自の切り口で勝手にお送りしているこの企画。

 2回目の今回は、“球界の人気部署営業本部”こと読売ジャイアンツと阪神タイガースを見ていこう。

【第1回 球界の人事部:東京ヤクルトスワローズ、埼玉西武ライオンズ】編はこちら

※ちなみに今回もこの先の各球団の特徴、役割付けなどは筆者の超主観的な妄想であることも添えさせていただく。

みなさんのお勤めの会社にもないだろうか?
社内の精鋭達が集結し、その会社の伝統と歴史を受け継ぐ部署が。その社内注目度の高い環境で揉まれながら多くのエリートを輩出する部署が。

そう、この部署こそが株式会社NPBにおいては、球界において人気部署の一つである営業本部こと【読売ジャイアンツと阪神タイガース】なのだ。
この2つの人気部署は、世の中の数多ある会社よろしく 、共に東と西の盤石な顧客基盤を抱え、互いに切磋琢磨してきた歴史をもつ。そして、その伝統の積み重ねの過程において、多くの人を魅了するスター選手を輩出してきた人気部署であり、今も野球選手を目指す選手の中にはここへの配属を希望するものも多い。

 さて、そんなみんなの憧れ球団の一つ、東日本営業本部こと読売ジャイアンツの今年のドラフト会議の顔ぶれから考察してみよう。

「読売巨人軍は永久に不滅です。」という野球ファンならずともご存知のフレーズを持つ巨人軍。その脈々として流れる“巨人らしさ”はドラフト会議の攻め方にも現れる傾向にある。毎年比較的まずは“王道ど真ん中のスター選手”の指名が特徴的である。今年に関しても、数十年に1人の逸材である根尾(大阪桐蔭)の指名に踏み切ったのも伝統ある人気部署の方針がそうさせるのか。

【写真提供=共同通信社】大阪桐蔭―沖学園  沖学園戦で力投する大阪桐蔭の根尾=甲子園


そして、これも営業部というある意味“計算できる選手を配置する”という戦略もあるのか抽選で外れる場合、実践的な選手に切り替えがちな点も常勝を義務付けられている部署ゆえに、最低限のノルマ達成までは・・・という現実的な心理が働くのか?やはり数字はプロ野球でも一般会社でも軽視はできないのか?と様々な角度でこの結果を眺めてみるのもまた面白い。

ちなみに、今年でいうとそれは高橋優貴(八戸学院大)にあたり、大学出身の完成度の高い左腕であることから確かに一定の計算が立ちそうな好投手だ。

あとは、スラリとした高身長と甘いマスクの二刀流・横川凱(大阪桐蔭)、190cmのガッチリした体躯をもつ“松井2.0” の松井義弥(折尾愛真)、U-18との壮行試合で評価を上げた戸郷翔征(聖心ウルスラ)あたりはいわゆる“映(ば)える系選手”として仕上がっていきそうな潜在能力を持つ若手のホープ達。やはり人気部署ゆえ、人に知ってもらえるような華のある選手が人気復興に一役買うということか。

2位の増田陸(明秀日立)は、坂本勇人と同じ恩師・金沢監督の薫陶を受けた選手。関西から越境野球留学→高卒プロ入りというルートも同じく、そういう意味ではネクスト坂本の最右翼としての次世代の主力としての英才教育的な人員配置であるとも受け取れる。

 さて、一方部署独特のお家芸騒動もあり監督が変わって来シーズンを迎えることとなるもう一つの人気部署・西日本営業本部こと阪神タイガースに目を移してみよう。

 一巡目を2度重複ののちに社会人屈指の好打者である近本光司(大阪ガス)の獲得に成功。近年、核となるセンターラインの選手を固定できなかったチーム背景からするとこの結果は、実務的な戦力アップという面では良い人材配置になったのでは?と個人的には思っている。

そして、斎藤友貴哉と木浪聖也(ホンダ)に関しても、人気営業部同士の伝統の東西対抗戦(巨人阪神戦のこと)においては、即戦力になりうる人材が投手、野手の両面で“強豪社会人チーム・HONDAからの活きの良いのが転職してきた”と考えると巨人同様に勝利へのプレッシャーが強い部署においてはチーム力のアップが見込め戦える陣容になりつつある。

高校生においても、あの大阪桐蔭に唯一土をつけたチームから川原陸(創成館)と聖光学院時代は故障に泣かされながらも「最短でNPB!」という気概で独立リーグから這い上がってきた苦労人・湯浅京己(富山GRNサンダーバーズ)、地方大会は初戦敗退ながらもその潜在能力は高校生として高く評価されていた若手有望株の小幡竜平(延岡学園)の獲得にも成功し、闘争心溢れる若手がここに集結した印象。

川原陸(かわはら・りく)創成館
【写真提供=長崎新聞社/共同通信イメージズ】


どこかスマートな巨人に対して、泥臭くても勢いのある阪神という印象があるが、どちらも伝統あるチームで似ていつつも、違うチーム同士というせめぎあい、言い換えるなら、いい意味での“意地の張り合い”が今年もプロ野球ファンを楽しませてくれそうだ。

両球団ともに、この長きに渡る株式会社NPB(日本プロ野球)の人気を最前線で盛り上げてきた花形部署である。近年では、坂本勇人や鳥谷敬など生え抜きスターが誕生してきた。とはいえ、時は常に流れている。今や2人も現場バリバリから中間管理職フェーズへの移行期の真っ只中で、現場は新しい風を待っている。必ずやこの中から、この伝統の巨人阪神対抗戦を通じて、次世代のスターが誕生してくれるだろうと思って来シーズンにも期待したい。

日本プロ野球においても人気球団ゆえに情報収集もしやすく、同じチームのファンであるという人に出会う確率も多いことから、野球ファンを始めるにはとっつきやすい。だが、一方でその球団に対する熱狂的なファンの方々も多いため、ある程度の事前情報を仕入れた上で先輩野球ウォッチャーと観戦に出かけ両球団のファンの雰囲気を肌で感じるというステップバイステップでファン度を成熟させていくのがオススメの球団である。

次回は、株式会社NPB(日本プロ野球)の新進気鋭のマーケティング部【北海道日本ハムファイターズと横浜DeNAベイスターズ】を見ていこう。

文・キヅカキラ氏(@KZSK)