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大学野球

2018年ドラフト展望(大学生編)

■ドラフト1位候補の東洋大トリオ

【写真提供:共同通信社】


今年の大学生で最も関心を集めるのが、戦国・東都大学リーグを席巻する “東洋大三羽がらす”だ。上茶谷大河は快速球を投げ込むのみならず、確かなコントロールを備える本格派。今春の5月4日には、1試合20奪三振のリーグ新記録を樹立。MVPと最優秀投手に輝き、一気にドラフト1位候補に躍り出た。
主にリリーフを務める甲斐野央は、常時150キロ前後を計測する剛速球と高速フォークで打者をねじ伏せるパワーピッチャー。昨秋のリーグ戦では自身初勝利を含む5勝を挙げ、最優秀投手に選ばれて脚光を浴びた。
最後の1人、梅津晃大は恵まれた体格から140キロ台後半のストレートを投げ込む右腕。故障の影響などで実績こそインパクトに欠けるものの、潜在能力は自身が憧れる大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)に匹敵するという評価もあるほどだ。
2010年の斎藤佑樹(現・日本ハム)、大石達也(現・西武)、福井優也(現・広島)の“早大トリオ”以来となる、「同一大学から3人が1位指名」の快挙達成なるか。3人の動向から目が離せない。

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■神宮大会を制した本格派コンビ

日本体育大にもプロ注目の投手が2人そろう。松本航は最速155キロの直球に多彩な変化球を織り交ぜる投球で、抜群の安定感と完成度を誇る。今秋には、史上8人目の「リーグ通算30勝・300奪三振」を達成した。
東妻勇輔は150キロを超える速球に加え、鋭いキレを誇る2種類のスライダーを操る右腕。昨年の明治神宮野球大会決勝で完封勝利を挙げるなどスタミナも豊富だが、度胸満点のピッチングはリリーフの適正も備えている。

■多種多様な好投手たち

他にも、全国の好投手がドラフト会議を待ちわびる。右腕では最速151キロの剛速球に加え、帝京高の先輩・山崎康晃(現・DeNA)直伝のツーシームが武器の清水昇(国学院大)がその筆頭。伸びのある直球と鋭く曲がるスライダーを操り、昨春のリーグ戦でノーヒットノーランを達成した栗林良吏(名城大)も評価が高い。
サウスポーでは、最速152キロの直球とスライダーのコンビネーションが魅力の高橋優貴(八戸学院大)。今秋には、多和田真三郎(現・西武)のリーグ通算奪三振記録を更新した。その高橋と同じリーグでしのぎを削る鈴木翔天(富士大)は、独特のテイクバックから投げ込むキレのあるボールが持ち味。昨秋には、リーグ史上初となる完全試合を達成した。その他では、最終学年で復活の兆しを見せる2013年のセンバツV投手・小島和哉(早稲田大)や、小気味よい投球を見せる福田俊(星槎道都大)などが指名候補に名を連ねる。

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」シリーズはこちら

■3拍子そろった野手陣

 一方、野手の最注目株は辰己涼介(立命館大)だ。すさまじいフルスイングを見せる打撃は天才的で、今春には史上28人目となる関西学生リーグ通算100安打を達成。守っても快足を生かした広大な守備範囲に加え、遠投125メートルの鉄砲肩を備えるなど、まさしく万能型の外野手だ。他にも、卓越したミート力と強肩が自慢の逢澤崚介(明治大)や、今年の全日本大学野球選手権で1試合4盗塁の離れ業を演じた米満凪(奈良学園大)など、走攻守で高いセンスを誇る素材が控える。

■中軸を担えるスラッガーたち

最後に注目のスラッガーを紹介する。頓宮裕真(亜細亜大)は侍ジャパン大学代表でも4番を務めた長距離砲。今秋には井口資仁(現・ロッテ監督)以来、戦後2人目のリーグ戦年間10本塁打を放つなど、アマチュア球界を代表するアーチストだ。中山翔太(法政大)は筋骨隆々な身体が生む強烈なスイングが自慢の強打者。今春はリーグ戦で打率3割8分を残すなど、ミート力も向上させている。
その他にも、勝負強い打撃が光る二塁手の中川圭太(東洋大)や、今春のリーグ戦で打率4割6分9厘、7本塁打と大暴れした岩城駿也(九州産業大)などのスラッガーがドラフト当日の吉報を待つ。

※データは全て2018年10月15日終了時点