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大学野球

リーグ通算30勝&MLB予備軍から16三振奪った即戦力右腕 松本航(日本体育大)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

松本 航 まつもと・わたる
明石商高→日本体育大
投手・右投右打・176センチ82キロ
1996年11月28日生(21歳)


 抜群の安定感を武器に国内外で活躍してきたドラフト1位候補右腕。ストレートの最速は155キロで、140キロ台でもキレがあり相手打者は三振や差し込まれた形の凡打を積み重ねる。変化球は最も自信のあるツーシームに加えて、カットボール、スライダー、スプリット、カーブと多彩だ。

 1年春から実績を積み重ねてきたが、特にこの2年間は華々しい活躍を遂げた。昨秋はリーグトップの防御率0.77で自身2度目のリーグ優勝に貢献。さらに明治神宮大会出場のかかった横浜市長杯準決勝で国際武道大を4安打完封すると、明治神宮大会準々決勝では九州共立大を6回1失点、準決勝では東洋大を4安打完封し37年ぶり2回目の優勝に大きく貢献した。

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 そして今年は国際舞台で大活躍。2年連続で侍ジャパン大学代表に選出されるとエース格を務めた。日米大学野球ではMLB予備軍とも言える大学米国代表を相手に第2戦では7イニングで大会新記録となる16三振を奪った。さらにハーレムベースボールウィークでは3試合14イニングを投げて自責点はわずかに1点と優勝に大きく貢献。両大会で堂々の最優秀投手に選出された。

 今秋は、開幕戦の帝京大戦で5安打1失点完投勝利と好スタートを切ると、その後も全試合で自責点2に抑える安定した投球を見せた。最終カードとなった筑波大戦では、1回戦で先発し6回2安打1失点、2回戦では3回1安打無失点に抑えて連勝し、リーグ戦通算勝利を大台の30勝に乗せて大学ラストシーズンを締めくくった。

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 視察していたヤクルト・橿渕聡スカウトグループデスクは「すべての球のレベルが高く、制球力がある。打者を見て投げられますし、ピンチでギアを上げたり、緩急も使えますね」と絶賛。多くの球団が即戦力として期待をかけている。
 松本は最終戦を終え「(通算30勝は)みんなが応援してくれていた中で達成できたので、涙が出そうになりました。最後に良い形で終わることができてよかったです」と笑顔を見せた。

 様々な環境でタフに結果を残し続けてきた右腕は、次なるステージではどんな栄光を掴み取るのか。大きな期待をせずにはいられない。

文・写真=高木遊