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抜群の統率力と勝負強さが光る優勝請負人 郡司裕也(慶應義塾大)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 大学生編】

郡司裕也(ぐんじ・ゆうや) ●守備 捕手 ●身長・体重 180cm・83kg ●生年月日 1997年12月27日 ●所属 慶應義塾大 ●球歴 仙台育英高→慶應義塾大 ●出身地 千葉県 ●投打 右右

郡司裕也(ぐんじ・ゆうや)
●守備 捕手 ●身長・体重 180cm・83kg
●生年月日 1997年12月27日 ●所属 慶應義塾大
●球歴 仙台育英高→慶應義塾大 ●出身地 千葉県 ●投打 右右

 大黒柱として所属チームに数々の栄光をもたらしてきた優勝請負人と言ってもいい存在だ。仙台育英時代は佐藤世那(元オリックス)とのバッテリーで明治神宮大会優勝、最後の夏も全国制覇まであと一歩と迫る甲子園準優勝を飾った。

 また、慶應義塾大でも1年秋からレギュラーの座を掴むと2年秋、3年春と東京六大学リーグで秋春連覇に正捕手兼中軸打者として成し遂げた。

 また今夏は侍ジャパン大学代表で雪辱を果たした。3年時は選考合宿に召集されるも代表入りを逃し「本当に悔しくて、現実を見せられたというか、まだまだだぞと言われているような気がしました」と振り返る。そして、落選の要因のひとつがスローイングだと聞くと「そこから1年間は絶対に入ってやるぞと思って」と、特にスローイングは重点的に鍛錬を積んできた。そして「やっぱりやった分だけ成果は出るんだなと思いました」と振り返るように課題を克服すると、今夏は悲願の代表入り。

 日米大学野球で正捕手の座は海野隆司(東海大)に譲ったものの、負ければ優勝を逃すことが決まる第4戦で2打席連続本塁打を放って、チームの逆転優勝に貢献した。

 この4年間での一番の成長は守備面だと語る。

「大久保秀昭監督がキャッチャーのご出身なので、技術とかスキルはもちろんですけど、試合観や野球観。そういった先を読んだリードだったり、状況に応じた指示だったり、大局観を持って試合に挑めるようになりました。その場その場だけではなくて、流れを読んで上手く調整する。そういったことは身についたのかなと思います」

 大久保監督もまた「吸収する能力、学ぼうとする姿勢、自己向上への意欲を持っているので、どの道に進んでも心配ありません」と成長に目を細め、太鼓判を押している。

 打って守れて視野が広い。試合の行方を分ける勝負勘は、この先進むチームでも数々の栄光をもたらしてくれそうだ。

文・写真=高木遊