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プロ野球

目指す理想は働く女性のロールモデル 知られざる〝試合のない日〟のチアリーダー
東北ゴールデンエンジェルス・KANOKOさん

*楽天イーグルスのチアリーダー「東北ゴールデンエンジェルス」のKANOKOさん

 華やかなパフォーマンスでスタジアムを彩る各球団のチアリーダーたち。抜群のルックスと、輝く笑顔でファンを楽しませ、応援のボルテージを束ねてくれる。野球観戦には欠かせない存在だ。ただ、そのなかには「もうひとつの姿」を持つチアリーダーがいることは、あまり知られていないのではないだろうか。
 それは楽天イーグルスの公式チアリーダー「東北ゴールデンエンジェルス」。彼女たちの役割は試合応援、スタジアム演出にとどまらない。目指す理想は働く女性のロールモデル(=社会の手本/模範)とのひとつになること。チアリーダーながら、チアだけではない、球団職員として多角的な活動を行っているのである。その詳細を現役メンバーのKANOKOさんに聞いた。

楽天チア・東北ゴールデンエンジェルス AKI 「笑顔で観客の皆さんを元気に!」

「ファンの皆様と一体となってチームを応援するという役割はもちろんですが、ホームゲームのない日やオフは球団事務所で事務作業をしたり、子供向けのチアリーディングスクールや、大人の女性向けフィットネスジムでインストラクターとして働いています。現職のメンバーが『先生』となって教えるので、難しさはありますが、責任感がつきますね。スクール生がスタジアムに来て『先生、見に来たよ~』って声をかけてくれることもあり、そんな時は、パフォーマンスにより力が入ります」

*スタジアムでの募金活動など社会貢献活動にも積極的に参加(右がKANOKOさん)




*試合時にはご存じ、質の高いダンスパフォーマンスを披露

 2006年、球団創設2年目に12球団では最も早いチアリーディングスクールを開校した楽天イーグルス。現メンバーの中には、スクールの生徒としてチアダンスの楽しさに魅了され、憧れのエンジェルスに合格した女性もいるそうだ。
「ダンスだけではなく、挨拶・礼儀もしっかり教えているので、チアスクールの卒業生が様々な場所で活躍しているのはうれしいです」
 球団創立から13年。楽天イーグルスは東北の女性たちの夢も叶える存在になっている。

 東北ゴールデンエンジェルスは、球団の人気拡大、野球の普及活動だけでなく、地域貢献という面でも大きな役割を果たしてきた。2011年の東日本大震災の時は、メンバーが避難所を回り、エコノミー症候群予防のための体操を指導した。オフシーズンに行っている「フレンドシップジャーニー」では、マスコットといっしょに幼稚園、保育園、保育所を訪問し、2015年度は85施設で1万人を超える子どもたちとふれあった。他にも地域のお祭りに参加したり、メンバーが「ドリームアンバサダー」(夢の伝道師)となって小・中学生に講演をする「未来塾」という活動も行っている。

*幼稚園訪問中のKANOKOさん


 球場外でも、毎日忙しく活動するKANOKOさん。そんな話を聞いていると、公式戦でのダンスパフォーマンスは、あらためて活動の一部でしかないということに気づかされる。ただ、だからといって、メインのダンスパフォーマンスの質を落とすわけにはいかない。プロとして、体のケア、コンディショニングも求められている。弱音など吐けない環境の中、支えになっているのはファンからの声援。「最近は主婦の方や、同年代の女性の方から声援を受けることも多いんです。うれしいですよね……」と目を輝かせた。

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 東北ゴールデンエンジェルスの担当者・永井真央さんは球団としての思いをこう話す。
「チアリーダーという立場が職業としてとらえられるのが社会的に難しい中、女性のロールモデルとして、老若男女に憧れられる存在を目指しています。ただ踊っているだけの女の子、ということではなく、自立した大人の女性として輝いて欲しいというのがメンバーに求められていることでもあり、取り組んでいることでもあります」

マスコット的な存在だけではない――。

一人の球団職員としてスタッフ会議にも参加し、チアの視点から見たファンサービスを積極的に意見することもあるそうだ。

 チアとして目指しているのは「人の気持ちを動かす、パフォーマンス」。4年ほど前、KANOKOさんの地元、秋田で見た光景が原動力になっている。
「母校の小学生と交流し、最後に子供たちが伝統芸能の踊りをプレゼントしてくれたのですが、さっきまでシャイだった子供たちが、全力の踊りを見せてくれたんです。あまりの迫力に涙が出てしまいました。本気のパワーってすごいな、私もこんなふうに人の気持ちを動かせるパフォーマンスがしたいなと、強く思った瞬間でした」

一つひとつの出会いを大切にし、自身のパフォーマンスへとつなげているKANOKOさん。幅広い活動が人間性を養い、より深みのあるパフォーマンスに繋がる。今シーズンもまた、人の気持ちを動かすダンスをKoboパーク宮城の観衆に届けてくれるだろう。

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【KANOKOさんの平日ナイターがある1日(2016年シーズンの例)】

14時 事務所入りし、事務作業などをする
15時 メンバー集合。チア控え室に移動して、ダンスの練習、確認を行う
16時 スタジアム前の特設ステージでダンスパフォーマンス
17時 場内での演出(スタメン発表の演出、フィールド内でのダンス、選手の花道演出)
18時 プレイボール

3回表裏 客席盛り上げ
5回表裏 フィールド内パフォーマンス
7回表裏 球団歌「羽ばたけ楽天イーグルス」のパフォーマンス
8回表裏 客席盛り上げ
試合終了 勝利の場合はヒーローインタビュー
22時   チア控室に戻り着替え、片付けなど
22時半頃 退社

取材・文/樫本ゆき 編集/田澤健一郎

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