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高校野球

高校球界の万能選手 投手か野手か、どの球団か 根尾昂(大阪桐蔭)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

根尾昂(ねお・あきら)大阪桐蔭
投手・内野手 右投左打
177センチ78キロ
2000年4月19日生まれ
【写真提供=共同通信社】


 金足農の吉田輝星投手が夏の甲子園後に話題沸騰したのに対し、高校球界での2年半、常に一番、注目されてきたのは彼かもしれない。

 一年生の夏を除く2年のセンバツからの4回の甲子園連続出場。藤原、柿木らとともに大阪桐蔭の歴代最強世代と言われてきた。評判通りに3年で春夏連覇を成し遂げる。4人がドラフト指名される可能性があって、彼らとしのぎを削って実力を高めてきた。

 彼に関しての興味はどの球団が引き当てるのかということと、プロ入り後、投手なのか野手なのか、という点にある。投げては150キロ、大阪桐蔭でマウンドに立っていないときはショート。2年生の時はセンターもサードもこなした。U18アジア選手権ではライト。そこから三塁への進塁を防ぐ矢のような送球も目撃した。「何」刀流は当たり前なのだ。

 様々に語りつくされてきた。飛騨の山奥の人口も少ない村(現飛騨市)の出身。小学5年100メートル走全国5位、6年のソフトボール投げは県で優勝、中学時代はNOMOジャパンに選ばれてアメリカ遠征、スキー回転競技で全国優勝、物理と生物が特に得意な教科で学業も優秀。生徒会長も務めた。ここまで非の打ち所がない球児を知らない。
 加えるなら、話をするときは相手の視線を外さないし、踵をつけて直立している。「他の打席もヒットに出来る甘いボールがあった」、「失点しているので、抑えなければダメです」と口をつくのは反省ばかりだ。「いつもに平常心。一番いいのは、心の部分かもしれない」。「大観衆の前でも普段通り自分のパフォーマンスが出来る。度胸もいい」。スカウト評が人間性を表している。極めつけは、「帰ってすぐに練習したい」。何をしたいか、と問われて、こう言ったのは、U18が終わった後の会見だったか。「昂」という字、上昇するという意味だ。

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 100回目の夏、決勝戦で吉田から140キロをバックスクリーンへホームランした。2回戦、沖学園戦もバックスクリーン、準々決勝の浦和学院の渡邊からはレフトスタンドに。甲子園で全19試合でノーヒットは1試合のみで15試合連続ヒットを記録した。70打数26安打3ホームラン20打点で打率・371だった。
 公式戦初安打も1年秋の府大会で代打で左中間への決勝ホームランだった。左方向への打球が伸びる。国体でのホームランも左中間だった。ボールを出来るだけ引き付けて、バットを体の近くで振る。インパクトは捕手よりだが、スイングスピードが速いので振り遅れているわけではなくて、左に強く飛んでいく。高校通算32本のホームランは意外に少ない印象だが。

 甲子園決勝の後、「上のステージではショートで勝負したい」と言っているが、U18の後は、「投手か野手かこれから考えながらやっていきたい」と明言していない。投手としての評価も最上級で、「やりたいならやらせたい」と言うスカウトもいる。

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 根尾のすごさを大学生が語っている。U18での大学生との壮行試合でセンターにライナーを放つ。ドラフト上位候補の立命大・辰巳が守る頭上を越えていってスリーベースになった。辰巳は「正面のライナーだと思っていたら、ぐんぐん伸びてきた。高校生で木製バットに慣れていないはずなのにここまで飛ばすとは。大学生のトップでもそうはない打球だった」。大学チームの生田監督(亜大)もその日の別の打席で三遊間を抜いたヒットについて、「打球が乾いた音で、高橋由伸(巨人監督)の慶大時代を思い出した」と言っている。

 木製バットの乾いた音・・・。なんとも未来の開ける、いい響きだ。おそらく近いうちに、この世代は根尾世代と言われるのではないかなと、個人的には思う。「根尾ミレニアム世代」と。

(文・清水岳志)

TBSテレビ「プロ野球ドラフト会議」番組公式サイト
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