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大学野球

名コーチの後押しで才能が開花!走攻守三拍子揃った万能外野手 久保修(大阪観光大)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 大学生編】

久保修(くぼ・しゅう)
●守備 外野手 ●身長・体重 181cm・81kg
●生年月日 2000年9月29日 ●所属 大阪観光大
●球歴 石見智翠館高→大阪観光大
●出身地 大阪府 ●投打 右右

 全国的には無名の大阪観光大から初のNPB入りが期待されている選手がいる。それが1番・中堅手としてチームを牽引する久保修だ。

 塩見泰隆(ヤクルト)のような走攻守の三拍子が揃った身体能力の高い外野手で、スカウトの間では肩の強さを高く評価されている。

 島根県の石見智翠館高ではレギュラーの座こそ掴んだが、甲子園の出場経験はなく、同期の水谷瞬(ソフトバンク)に比べると目立つ選手ではなかった。

「上のレベルでは絶対に通用しないと思っていたので、高校でも終わっても良いかな」と元々は高校で本格的な野球から離れるつもりでいたという。だが、「お前はまだ伸びる」という末光章朗監督の言葉に背中を押され、大学でも野球を続けることに決めた。

 地元・大阪での進学を考えていた中で大阪観光大に進むきっかけになったのが伊勢孝夫特別アドバイザーの存在だ。近鉄、ヤクルトでプレーし、引退後はコーチとして長年に渡って活躍。さらに当時は元ヤクルトの山本樹監督が率いており、「プロを経験した人の下で学びたい」と高いレベルの指導を求めて大学野球の世界に飛び込んだ。

 入学当初こそプロの世界は明確に見えていなかったが、2年生の時に「プロに行ける」と伊勢氏に素質を認められて卒業後のプロ入りを明確に意識するようになる。

 その中で課題だったのが、野球に取り組む姿勢だった。練習でやる気がある時とない時の差があると伊勢氏の目には見えており、「練習に対する取り組み方を変えないと、とても上は目指せない」と厳しく指摘された。

 その言葉に目覚めた久保は心を入れ替え、「常に誰かに見られていると思いながらプレーするようにしています」と手を抜いたプレーは見せなくなった。

 今春はリーグ戦中に右太もも裏の肉離れに見舞われたが、その中でも全力プレーを披露。11試合で打率.349、2本塁打、10打点の活躍で1部リーグでは初のベストナインを獲得した。

 進路については「プロ一本で勝負したい」と決意を固めている。50m走5.9秒の足と遠投120mの肩はプロでも即戦力になるだろう。「昔の新庄剛志(現・日本ハム監督)みたい」と伊勢氏も久保の能力に太鼓判を押している。

 4年間で意識が変わり、プロ注目の選手となった久保。自らの夢を叶えるために全力でアピールを続けている。

文・写真=馬場遼