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秋開幕戦、東大が今春王者の明大と3対3の引き分け!2者連続タイムリー&井澤駿介の粘投が光る!【9/10 秋季東京六大学野球 明治大学vs東京大学】

 9月10日、東京六大学野球秋季リーグの第1週1日目が行われ、春秋連続優勝を狙う明大と5年ぶりの勝点獲得を狙う東大の一戦は、9回終了3対3の引き分け決着となった。

明大と東大の今秋開幕戦は3対3の引き分けで試合終了となった

 今春に全カードで勝点を挙げ、2019年春以来6季ぶり41度目の優勝を果たした明大は、春5勝(1敗、防御率2.20)の右腕・村田賢一(3年・春日部共栄)が先発。対する東大は、2日前にプロ志望届を提出して学生生活最後のリーグ戦に挑む井澤駿介(4年・札幌南)が2021年秋以来の自身2勝目を目指してマウンドへ。立ち上がりは両投手が上々のピッチングを見せ、2回までは0対0と静かな形でゲームが始まった。

 しかし、3回に一気に試合が動いた。明大がこの日1番に抜擢された飯森太慈(2年・佼成学園)がリーグ戦初安打から初球盗塁成功で2死ながら二塁へ進むと、故障が完治した主将の2番・村松開人(4年・静岡)がうまくレフト前へ弾き返して1点を先制。しかし、東大はその裏、2四死球で2死一、三塁として相手悪送球で1点を返すと、「井澤さんがいいピッチングをしていたので」という2番・阿久津怜生(4年・宇都宮)がライト線を破るタイムリー二塁打。さらに3番・中井徹哉(4年・土浦一)もライト線を破る2者連続のタイムリー二塁打を放って計3点を奪って逆転に成功した。

3回裏に東大・阿久津がライト線を鋭く破るタイムリー2塁打を放つ

 しかし、明大もすぐさま反撃。4回表に2死二塁から7番・日置航(4年・日大三)のセンター前タイムリーで1点差に詰め寄ると、続く5回表には2死二塁から主将の村松がセンター前タイムリー。「チームバッティングをしようと意識していた結果、たまたま抜けていってくれた」と村松。主将のこの日2本目のヒットで試合を振り出しに戻した。

 ここから一気に攻勢を仕掛けたい明大だったが、「各打者が対応できていなかった。感覚のズレがあったかなと思う」と田中武宏監督。対する東大は、「相手は強いチーム。特にバッティングがいいチーム。今日はよく井澤が頑張った」と井手峻監督。東大の先発・井澤が6回1/3を7安打3失点で凌いだ後、鈴木健(3年・仙台一)、松岡由機(3年・駒場東邦)と繋いで勝ち越しを許さず。明大も4回2安打3失点で降板した村田の後をリリーフした石原勇輝(3年・広陵)と蒔田稔(3年・九州学院)が好投。3対3のまま9回終了でゲームセットを迎えた。

東大の先発・井澤は7回途中まで投げて3失点。1四球が好投の要因となった

■明治大vs東京大1回戦
明大 001 110 000=3
東大 003 000 000=3
【明】村田、石原、蒔田-蓑尾
【東】井澤、鈴木健、松岡由-松岡泰

◎明治大・田中武宏監督
「(先発の村田は)オープン戦で一番安定していた。(3失点した3回は)ボールを放ってくれないかなと思っていたんですけど、元々コントロールがいいのでストライクを投げてしまったね。春とは違って(全5カードを)10試合で終わるつもりだったんですけど、これで最低でも11試合。(打線は)各打者が対応できていなかった。感覚のズレがあったかなと思う。3番、4番に打ち損じがあった。硬さがあったと思います。(東大投手陣は)井澤君にしろ、松岡君にしろ、ボールに力がある。そんなに大量得点を取れるとは思っていなかった。フォアボールが1つだけですから、そうなるとこういうゲームになる」

◎明治大・村松開人(4年・静岡)
「チームが引き分けだったので、勝ち切れなかったという悔しさがあります。もっと試合の中で消せるミスをしっかりとなくして明日の試合に臨みたい。(打席では自身2安打)たまたまです。チームバッティングをしようと意識していた結果、たまたま抜けていってくれた。(主将として)自分が引っ張っていかないといけない。集中してゲームに入っていけるようにしたい。(優勝した)春のリーグ戦も力の差がなかった。そういう精神的な面をしっかりとチーム内で共有して、次の試合に向かいたい」

◎東京大・井手峻監督
「残念です。勝たないと疲れますから。オープン戦の後半に打線が良くなってきて、ピッチャーを中心に守れれば勝負になるかなと思っていた。なんとか勝点を狙っていきたい。もうひと粘り、後半にもうひと攻撃したかったね。」

◎東京大・井澤駿介(4年・札幌南)
「春まではフォアボールが多くて、球数がかさんでしまって、終盤に打たれることが多かった。今日は序盤からしっかりとストライク先行で打たせて取ることができた。点は取れても最少失点でしたし、自分の中ではいいテンポで投げられたかなと思います。春までは際どいコースを最初から狙っていたんですけど、ある程度、自分のボールの球威でファールを取れるようにもなってきたので、追い込むまではコースというよりかはゾーンにしっかりと投げ込んで打ち取ることを練習してきた。それが結果として出せたかなと思います。多少なりとも自信になった。明日、明後日と試合が続いて(明大打線が)対策はしてくると思いますけど、僕の中でのテーマは変えずに、今日みたいなピッチングができればいい(プロ志望届を出した後のマウンドに)特別な意識はない。チームとして最下位脱出がテーマなので、そこに向けて全力で投げるだけです」