BASEBALL GATE

大学野球

慶大がスローガンの『繋勝』を体現する野球で春秋連覇!2季連続39回目の優勝を果たす【10/31 秋季東京六大学野球 慶應義塾大学vs早稲田大学】

 2021年10月31日、東京六大学野球秋季リーグの優勝を争う形で伝統の早慶戦2回戦が行われた。
勝つしか優勝が無い早大が初回に3点を先制するが、慶大が7回に渡部遼人(4年・桐光学園/オリックスドラフト4位指名)のタイムリーと相手失策で同点に追いつく。その後は慶大投手陣が継投で早大打線の猛追を振り切り3対3の引き分け。慶大が2季連続39回目の優勝を達成した。

一方、早大は昨秋の再現(「9回2死から蛭間拓哉の逆転弾で早大が劇的V!小宮山悟監督、早川隆久ともに涙」https://baseballgate.jp/p/1001720/)かのような逆転優勝を目指し、徳山壮磨(4年・大阪桐蔭/DeNAドラフト2位指名)の8回3失点の力投などで食い下がったが、あと一歩及ばなかった。

8回2死から救援した橋本達弥(3年・長田)を中心に歓喜の輪ができ、慶大の選手たちは喜びを爆発させた

 各校の意地と執念がぶつかり合うリーグ戦を戦い抜き、春秋連覇を決めた慶大。4勝1敗5分けという成績からも分かるように「負けない強さ」がシーズンを通して光った。堀井哲也監督は「バッテリーを中心とした守り、なんとか繋いでいく打線」をその要因に挙げた。

投手陣は完投が1度もなく、毎試合で複数の投手を継投。この日も4投手を繋ぎ、2回以降に得点を与えなかった。
その柱となったのが主将も務める捕手の福井章吾(4年・大阪桐蔭)だ。高校時代から光る抜群の統率力は堀井監督も「チーム状態が良かろうが悪かろうが、態度、立ち居振る舞いがブレない」と、かねてから強い信頼を置いており、この日も冷静に投手陣をリードし味方を鼓舞。4回には素早い送球で二盗を刺してチームに流れを呼び込み、それが5回の1点を返す攻撃に繋がった。
攻撃面では4番の正木智也(4年・慶應/ソフトバンクドラフト2位指名)が打率.206と不振に陥った中でも、打率.359を残した渡部らで打線を繋いだ。また、代打や代走、守備固めで起用された選手たちも役割を全うして勝利に繋げた。

今季掲げたスローガンのメインタイトルは『繋勝(けいしょう)』。「全員の『想い』を繋いで1勝を紡ぐ」という思いを込めて付けられたものだが、まさにその名の通りの戦いで、天皇杯を再び手にした。

優勝した慶大は11月20日から行われる明治神宮野球大会(慶大の初戦は21日予定)で春秋連続の大学日本一を狙う

■慶應義塾大vs早稲田大2回戦
慶大 000010200=3
早大 300000000=3
【早】徳山、西垣-岩本
【慶】増居、生井、渡部淳、橋本達-福井

◎早大・小宮山悟監督
「開幕連敗スタートからあと一歩まで来たのは本当に立派。厳しいことも言ってきたが正しい歯の食いしばり方としたと思います。ここまで築き上げてきたものを生かし、さらに強い組織にしていきたいです」

◎早大・丸山壮史(4年・広陵)
「当たって砕けろという気持ちで、やってきたことを信じるしかないと戦ってきました。手応えは感じていましたが、何かもうひとつが足りませんでした」

◎早大・徳山壮磨(4年・大阪桐蔭/DeNAドラフト2位指名)
「この1年、背番号11の自分が不甲斐ない投球を続けてしまい悔しい気持ちしかありません。この4年間の経験を財産にして、ワンランクもツーランクもレベルの高い投手になりたいです」

試合終了後、大阪桐蔭でもバッテリーを組んだ福井と握手を交わす徳山

スタンドへの挨拶となると徳山は涙が止まらず、記者会見でも終始声を震わせた

文・写真=高木遊