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尾﨑完太の好投と岡田悠希のタイムリーなどで法大が7試合目にして今季初勝利【10/23 秋季東京六大学野球 東京大学vs法政大学】

 2021年10月23日、東京六大学野球秋季リーグの第6週1日目が行われ、法大が東大を11対1で下し、7試合目にして今季初勝利を挙げた。

1年春から登板をし、期待の高い2年生左腕・尾﨑が嬉しいリーグ戦初勝利を挙げた

 新型コロナウイルスの集団感染によってリーグ戦の参加が10月9日からとなった法大は調整不足が否めず、これまで0勝3敗3分けと苦しい戦いを強いられた中で迎えた東大戦だった。

 法大先発の扇谷莉(3年・東邦)は東大打線に初回から2安打を打たれると、2回にも2安打を許し、先制点を奪われる苦しい立ち上がりとなった。今春のリーグ最終戦でも敗れた相手に対して重苦しい空気が流れてもおかしくない状況だったが3回に4番・岡田悠希(4年・龍谷大平安/巨人ドラフト5位指名)らの3連打でチャンスを作ると、相手投手の暴投と遊撃手の失策、村上喬一朗(3年・東福岡)の犠飛で3点を奪って逆転に成功した。

 さらに4回から登板した2番手の尾﨑完太(2年・滋賀学園)が好投。加藤重雄監督が「繋がりのある打線を引き出してくれました」と振り返ったようにテンポの良い投球で東大打線に反撃の糸口を与えず。すると、打線はその後、岡田の左中間への三塁打や村上の満塁本塁打などで得点を加えていき計11得点を奪って大勝した。

 加藤監督はようやく掴んだ今季初勝利に「まずは1勝できたことに喜びを感じています」と胸を撫で下ろし、「とにかくまずは明日、連勝したいです」と次戦に目を向けた。

 また、岡田の復調も安心材料だ。この試合前までは打率1割台に沈んでおり「プロに行く上で情けなく、自分に腹が立つ成績でした」と忸怩たる思いでこの一戦に臨んでいた。「ボール球に手を出さず、甘い球にしっかりと自分のスイングができるように」と言い聞かせて打席に立ち、3得点に絡む活躍を見せた。
 
 法大は厚みのある投手陣に来季以降も大いに期待できる尾﨑が台頭して加わり、主砲の岡田にも復調気配が漂う大きな今季初勝利となった。

巨人ドラフト5位に指名された岡田は「この苦しい経験は今後にも役立つはず」と前を向く

■東京大vs法政大1回戦
東大 010 000 000=1
法大 003 022 04X=11
【東】●井澤、松岡由、小宗-松岡泰
【法】扇谷、○尾﨑、石田-村上
本塁打:法大・村上(8回満塁)

◎東大・井手峻監督
「投手力が弱いですね。四球を出したり、四球を出しそうになったところでストライク入れにいったボールを打たれたり。今季は恥ずかしいじゃ済まない失点数になってしまっています」

◎東大・井澤駿介(3年・札幌南)
「無駄な四球が多いので、厳しい場面でもストライクや三振を取れるようにしたいです。今季も最下位となりましたが春秋で勝利し着実に力をつけている手応えはあるので、全ての面をレベルアップさせていきたいです」

9試合終えて122失点と苦しい結果が続く東大投手陣。写真は松岡由機(2年・駒場東邦)

文・写真=高木遊