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千葉ロッテマリーンズ唐川侑己選手インタビュー~児童福祉施設の支援を通じた、地元・千葉県への恩返し


©千葉ロッテマリーンズ

千葉ロッテマリーンズの唐川侑己選手が、今シーズンより千葉県内の児童福祉施設への支援活動を始めた。公式戦の成績に応じて、成田市の「成田学園」と千葉市中央区の「千葉みらい響の杜学園」に寄付を行うほか、球団のグッズやロッテのお菓子もプレゼントすると発表している。今回は唐川選手ご本人に、その活動への思いや背景をお聞きした。

――今シーズンから支援活動を行うことになった経緯を教えてください。

唐川 何か社会に役立つことをしたいという気持ちは前からありました。たくさんの人に支えられて野球という仕事をさせてもらっていますからね。ただ、そう思っていても実際にどうしたらいいのかわからなくて、選手会に相談したところ、こういった支援の形をアドバイスしてもらいました。選手会にサポートしてもらったことで行動に移せたのですごく助かりました。

――昨年、コロナ禍で試合ができなかった期間があったことも影響していますか。

唐川 それはありますね。最初に考えたのが、自分自身のこれからの野球人生のことです。先のことを考える時間がたくさんありました。そんな中で、いろんな人が苦しい思いをしていることをニュースで知って、こんな厳しい状況の中でも僕らは野球をやらせてもらえるんだからなんとか還元したいという気持ちが強くなっていったんです。

――プロ野球選手としての在り方を改めて考えたということでしょうか。

唐川 そんなカッコいいものかどうかわからないですけど、今年で32歳になって、子供も二人いるんですけど、年齢も重ねて家庭も持って「自分たちだけが幸せならいいわけではないよな」っていう気持ちは湧いてきました。だから、プレー以外でも何か貢献したいと思ったんです。プロ野球選手という仕事だからこそ伝えられること、感じてもらえることってあると思うので。

――支援先の「成田学園」と「千葉みらい響の杜学園」はもともとご縁があったのですか。

唐川 成田学園は、僕の出身校の成田高校と同じ成田山新勝寺の関連施設です。千葉みらい響の杜学園はそういったご縁はないんですけど、僕の思いとして、生まれてからずっと千葉県内で暮らしているので、地元に還元しようということで千葉の施設を選ばせていただきました。

――シーズンの成績に連動した形で寄付をされるとのことですが、試合に臨む際の心境に変化はありますか。

唐川 今までは、自分の成績はあくまで自分のため、もしくはチームのためという範囲にとどまっていましたけど、今はそれが社会の力になるという部分では、やはりモチベーションはすごく上がります。コロナが終わったら子どもたちを球場に招待することも考えているので、それも楽しみです。

――ロッテのお菓子はもう送られたそうですが、ちなみに何をプレゼントされたのですか。

唐川 「コアラのマーチ」「TOPPO」「パイの実」とかですね。僕は「紗々」が好きなんですけど、そういえば送ってなかったな(笑)。いずれは送ろうと思います。お菓子は子供たちも喜んでくれるので、それをきっかけに野球を観るようになってくれたら嬉しいですよね。

今シーズンから、唐川選手の活躍がチームだけでなく社会の力に。©千葉ロッテマリーンズ

――球団としても施設訪問などを積極的にされていますが、過去に訪問は?

唐川 今回の支援先とは別のところですが、何回かあります。僕たちが訪問するにあたって、施設の方々がいろいろと準備をしてくれたり、プレゼントを用意してくれたり、すごくウェルカムな感じで迎えてくれたのが嬉しかったです。僕たちのことを応援してくれているんだなというのを肌で感じられたので、それはとても有難かったですね。

――最近、関心のある社会課題はありますか。

唐川 医療従事者の方々の声が掲載された記事を見た時には、心に響くものがありました。外に出られないとか、病院と家の往復しかしていないとか……そうやって頑張ってくれる人たちがいるおかげで今があると思うので、そういう人たちにとって希望が持てることを僕らも何かやりたいですよね。プロ野球にはそういうことができる舞台があると思うので、コロナが落ち着いたら球場に招待するのでもいいし、僕たちにできることがあればいいなと思っています。