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【今週のJERA セ・リーグ】20歳でのOPS.1.012」「本塁打&打点王」「31盗塁&得点圏打率.352」2020年シーズンの打者トップ3は誰だ!?

 コロナ禍による異例のシーズンが終了。12月17日には年間表彰式『NPB AWARDS』が開催されるが、その前に改めてセ・リーグの個人成績をおさらい。打者部門で、今季最も活躍した<シーズントップ3>を選びたい。

【写真提供=共同通信】不動の4番として打撃3部門すべてリーグ5位にランクインしたヤクルト・村上。オフの契約更改では高卒4年目で年俸1億円の大台に到達した。

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<1位>
村上宗隆(ヤクルト)
【シーズン成績】120試合 打率.307、28本塁打、86打点、OPS.1.012

 燕軍団が誇る若き和製スラッガー。高卒3年目の今季は全試合にスタメン4番で出場し、ともにリーグ2位の28本塁打、86打点に加えて、リーグ5位の打率.307をマーク。昨季も10代の最多記録を塗り替える36本塁打に96打点の好成績を残したが、今季はさらに確実性を上げ、一時は三冠王も狙える位置に付けながら、最終的に昨季の打率は.231だったところから大幅な進化を見せた。

 さらに評価すべきは出塁率の高さ。今季、出塁率.427で最高出塁率のタイトルを獲得したが、長打率.585もリーグトップで、強打者を表す指標OPSは驚異の1.012を記録した。通常OPS.800を超えれば好打者、OPS.900を超えれば強打者とされる中、10割超えは今季セ・リーグでただ一人(パ・リーグでは柳田悠岐がOPS1.071を記録)。過去にOPS10割超えを達成した王貞治や落合博満、松井秀喜などのレジェンドたちに20歳にして肩を並べた。来季の目標を「3割30本100打点を最低ライン」と語った男を打者No. 1評価にしたい。

<2位>
岡本和真(巨人)
【シーズン成績】118試合 打率.275、31本塁打、97打点、OPS.907

 リーグ連覇に大きく貢献した男は、個人としても31本塁打、97打点で自身初のタイトルとなる本塁打、打点の2冠を獲得。シーズン序盤から坂本勇人、丸佳浩が打撃不振に悩んだ中、頼れる4番として存在感を発揮し、ファンから多くの声援を浴びるとともに、年上のチームメイトたちから「岡本さん」と崇められ、原辰徳監督から直々に「2代目若大将」と命名された。

 コロナ禍で試合数が少なくなった中でも3年連続の30本塁打を達成したのは見事。得点圏打率.347を誇るとともに、本拠地・東京ドームで打率.328、19本塁打、55打点をマーク2冠獲得は巨人の日本人では松井秀喜以来22年ぶりの快挙で、かつての絶対的4番の姿を思い起こさせた。さらに三塁手として守備力も大きく向上。攻守に渡って信頼度が高かった。

<3位>
近本光司(阪神)
【シーズン成績】120試合 打率.293、9本塁打、45打点、31盗塁、得点圏打率.352

 プロ2年目でもしっかりと結果を残した。6月は打率.128だったが、次第に本来のフォームを取り戻して7月に月間打率.276、7盗塁をマークすると、8月は打率.352と安打を量産し、シーズン終盤の10月も打率.302&8盗塁と好調をキープし、2年連続の盗塁王にも輝いた。新人から2年連続で30盗塁以上は球団史上初。昨季は2位と3個差だったが、今季は2位に8個差を付ける堂々のタイトル奪取だった。

 また、数試合を除いて1番打者でのスタメン出場を続けた近本だが、単なるリードオフマンではないという証明が、村上宗隆と並ぶリーグトップタイの得点圏打率.352。昨季の.230から大幅アップを成し遂げ、2年目のジンクスを見事に打ち破って見せた。3年目の来季は選手会長に就任することが決定。名実ともにチームの中心として働くつもりだ。