- 侍ジャパン
2019.11.01 15:30
2019 WBSC プレミア12 世界の野球強豪国 メキシコのメンバー紹介【WORLD BASEBALL vol.41】
前回大会では、プロアマ間の軋轢から出場辞退かと思われたが、なんとか二重国籍のメキシコ系アメリカ人マイナーリーガー中心の編成で臨んだメキシコ代表。それでもベスト4まで勝ち進み、その層の厚さを示した。その後、アマチュア統括団体・メキシコ野球連盟と国内トップリーグのメキシカンリーグが「挙国一致態勢」を構築し、今回はメキシカンリーグの選手中心で臨む。
他のラテンアメリカ各国が、ウィンターリーグの季節を迎え、なかなか選手を集められていない中、優勝候補の一角を占める存在だといっていいだろう。
まず投手陣では、今春の侍ジャパンとの強化試合で来日し、今シーズン8勝のマヌエル・バレダ(ティファナ)、34歳になる今年も7勝を挙げたベテラン、オルランド・ララ(カンペチェ)、アメリカ3Aと2Aで11勝を挙げたアルチューロ・レイエス(レイズマイナー)が先発の柱になるだろう。
リリーフには、今シーズン50試合に登板したフェリッペ・ゴンザレス(モンテレイ)、アメリカ3Aで同じく50試合に登板したヘスス・クルーズ(カージナルス3A)、メジャー通算40勝で韓国でもプレーしたオラシオ・ラミレス(ティファナ)らが控えている。
打線では、「日本組」に注目だ。今シーズン、来日2年目を迎え期待されたものの、シーズンの大半を二軍で送ったエフレン・ナバーロ(阪神)と、巨人では今一つ力を発揮できなかった元メジャーリーガー、クリスチャン・ビヤヌエバが打線の中軸を担う。ともに所属球団からはリリースされているが、国際大会はこういう「就活中」の選手が一番怖い。メキシカンリーグからも今年.368の高打率を残したヘスス・ファベラ(メキシコシティ)が打線に上位打線に加わるだろう。
そして注目は、今シーズン、67試合で30本塁打を記録したアメリカ生まれのホセ・バルガス(アグアスカリエンテス)だ。ホワイトソックスのマイナーを3シーズンでリリースされた後、独立リーグで6シーズンを送り、メキシカンリーグでその素質を開花させた苦労人だ。打高投低のメキシカンリーグではその長打力をいかんなく発揮したが、国際大会でその打力が通用するようだと、各国投手陣は手を焼くに違いない。
ディフェンス面では、チャンピオンチーム、ユカタンのホルヘ・フローレスとMLBの有望株が集うこの秋のアリゾナフォールリーグに参加したハビエル・サラサール(デュランゴ)のふたりのショートストップが内野の軸となるにちがいない。
メキシコ代表チームは、オープニングラウンドを日本と争うベネズエラと10月26,27日に中部の都市、プエブラでテストマッチを行い本番に備える。
文・写真=阿佐智