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高校野球

早実・清宮 公式戦初の無安打も和泉監督「存在大きい」/国士舘、夏の雪辱へ気合い十分【秋季高校野球東京大会準々決勝】

★早実・清宮 公式戦初の無安打も和泉監督「存在大きい」

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3打数無安打も存在感を見せた早実・清宮幸太郎

早稲田実 201101003=8
関東一  000000103=4
【早】中川、石井、服部、赤嶺——雪山
【関】高橋、小川、平川——石橋

 早実は初回に小西優喜外野手(2年)の2点タイムリーで先制し、勢いに乗ると、11安打で8得点と効率よく得点を積み重ねて、4季連続甲子園出場を狙った関東一を破った。
 高校通算74本塁打の清宮幸太郎内野手(2年)は3打数無安打ながら、7回にファウルフライに対しフェンスを恐れない好捕をするなどチームを盛り立てた。
 公式戦32試合目にして初めて無安打に終わったが「記録はいつか終わるものだと思っていました。チームの勝利が嬉しいです」と笑みを見せた。また、6回無失点と好投した中川広渡投手(1年)が「清宮さんが“表情固いぞ”と言ってくれるなど、上級生が優しい声をかけてくれました」と振り返ったように、後輩投手への気遣いも細やかなものだった。
 そのことについて清宮は「加藤さん(雅樹、現早大※清宮が1年時の主将)のように、笑顔で投手をリラックスさせようと心がけていました」と、先輩の主将像を踏襲していると話した。
 また相手投手に与える影響についても、和泉実監督は「今日の相手投手は、清宮に対して制球力が抜群でした。でも、他の打者にはそこまででもなく、そうした意味でも清宮の存在は大きいです」と語った。

★国士舘、夏の雪辱へ気合い十分

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「打たせて取ることができました」と1失点完投の石井崚太(1年)は笑顔を見せた。
国士舘   010301000=5
城西大城西 000010000=1
【国】石井——金澤
【城】後藤——浜比嘉

 国士舘が鮮やかな“足攻”で先制点を奪うと、中盤にも得点を重ねて、城西大城西に快勝した。
 4回表、国士舘の攻撃で1死三塁の場面。打球はショートへ飛ぶと、ショートが捕球し一塁へ送球する間に、三塁走者の山本恵太外野手(2年)が本塁へ突入しセーフ。「普段から練習していました」と話す送球間の走塁で貴重な先制点をもぎ取った。
 今秋から、甲子園8度出場に導いた永田昌弘監督が復帰。そこで時間を割いて細かく取り組んできたのが走塁練習だった。永田監督は、明日の早実戦に向け「投手のクイックも早いし、捕手の肩も強いので、作戦を変えないと」と話した一方で、「皆さんの(早実に対する)期待を裏切れるようにしたいです」と冗談めかしながらも意気込みを語った。
 また、選手たちは今夏の西東京大会16強で早実に敗れているだけに雪辱の気持ちは強い。清宮に本塁打を浴びたエース右腕の深澤史遠投手(2年)は「楽しみです。夏よりも変化球で腕を振って、ストライクが取れるようになりました」と成長の手応えとともに、雪辱の舞台を心待ちにしている様子だった。

★他会場結果、準決勝の予定

◎神宮第二球場
日野12−3八王子
日大三6−2早大学院

◎準決勝の予定
神宮第二球場
10:00 早稲田実vs国士舘
12:30 日野vs日大三

文・写真:高木遊