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【U-23W杯】白星発進の立役者 打たせて取る…猛暑でハマった本田圭佑流のピッチング


28日(日本時間29日)にメキシコ・モンテレイで開幕した「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」。初戦をニカラグアと戦った日本は6-1と快勝したが、白星発進の立役者は、なんと言っても先発を務めた本田圭佑(西武)だった。

■7回を2安打無失点の快投劇! 「打たせて取るピッチングが自分の持ち味」

 28日(日本時間29日)にメキシコ・モンテレイで開幕した「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」。初戦をニカラグアと戦った日本は6-1と快勝したが、白星発進の立役者は、なんと言っても先発を務めた本田圭佑(西武)だった。

 試合開始時間の気温は優に30度を超えた暑さの中、第1戦の先発という大役をしっかり成し遂げた。「打たせて取るピッチングが自分の持ち味」という言葉どおり、初回からゴロを打たせてアウトを重ねた。4回1死から2番・アレグリアに遊撃内野安打を許すまで、打者10人を連続凡退。6回1死から二塁内野安打されたが、安打はこの2本だけ。打球が外野に飛んだのも、わずか3度だけだった。

 事前に対戦相手の情報は何もなし。試合前の練習で初めて見たニカラグアの選手たちは、想像以上に体格がいい選手ばかり。「大きい選手もいたし、抜け球は怖いと思って」と、普段以上にゴロを打たせるスタイルを徹底させた。打順が一巡する頃には「真っ直ぐを狙っている」と察知し、「まず真っ直ぐを低めに集めて、あとは変化球で打たせよう」と意識。この日、特に「よくコントロールできた」というカーブで、ニカラグア打線を翻弄した。

 プロ1年目右腕の快投に、斎藤雅樹監督は「今日は本田がナイスピッチングでした。ストライク先行で、まったく寄せ付けなかったね」と手放しで褒めた。好投の要因として「初球の入り方がよかった」と指摘。「カウントを(投手)有利にすれば、ブンブン振ってくるバッターが多いから、敢えてストライクゾーンで勝負をしなくてもよくなる」と、相手の打ち気をうまく利用したスタイルが奏功した。

■猛暑の中でも水分&栄養捕球、打たせて取る省エネ投法で7回を85球

 試合開始は正午。回を追うに連れ、マウンド上の気温は35度を超える猛暑になったが、「水分補給をこまめにしながら、途中エネルギー系のゼリーも摂るようにしました」。加えて、テンポよく打たせて取るピッチングで無駄なエネルギーの消耗を防いだ。7回を投げながら、要した球数は85球。斎藤監督は「球数だけ見ると、もっといけたかもしれないけど、開幕のプレッシャーもあっただろうし、暑かったから」と、大役を終えた右腕の労をねぎらった。

 今季、1軍戦での登板は、9月の2試合だけだった。デビュー戦となった同11日ソフトバンク戦は、救援登板で2回無失点。だが、初先発した同18日の楽天戦では2回2/3を4失点で敗戦投手となっていた。思うような結果でシーズンを締めくくれなかったが、ジャパンのユニフォームに袖を通し、世界を相手に結果を出した。

「ゼロに抑えられたので、結果には満足してますけど、内容は…。これからもっと力のある打者と対戦することもあると思うので、自分の精度を高めないといけないと思います」

 結果を出しつつ内容にこだわる投球で、来季につながる形を見つけていきたい。

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