札幌ドームで行われた日本シリーズ第4戦は、日本ハムが中田＆レアードの本塁打で3対1の逆転勝ち。本拠地2連勝で、対戦成績を2勝2敗の五分に戻した。

　日本ハムの栗山監督はこの日、第3戦に5番に座った岡を1番に抜擢。1番の西川を2番へ移し、近藤を5番へ。前日サヨナラ打の大谷は、2試合連続で「3番・DH」でスタメンに送り出した。一方の広島は不動のオーダー。シリーズタイ記録となる3試合連続本塁打中のエルドレッドのバットに期待が集まった。
　序盤は日本ハム・高梨、広島・岡田の若手両チーム先発右腕が走者を背負いながらも無失点を続けた。だが4回表、思わぬ形でスコアが動く。2死1塁からからエルドレッドが二塁後方に高々とフライを打ち上げると、これを日本ハム守備陣が譲り合い、最後は近藤が懸命に体を伸ばすも落球。1塁走者の新井が一気に生還し、無安打で1点を先制した。
　嫌な形で失点した日本ハムだったが、このムードを4番・中田がひと振りで振り払う。6回の先頭打者として打席に入ると、広島・岡田の初球、139キロのスライダーを一閃。「前の打席から、こういう攻めだったので狙い通りのスライダー」と完璧に捉え、打った瞬間にそれと分かる自身今シリーズ1号となる貴重な同点弾を左翼スタンドへ突き刺した。
　そして8回、四球の中田を1塁に置き、今度は6番・レアードが、「失投を待っていた。ちょうどいいところにスライダーが来たので思い切り振り抜きました」と3番手・ジャクソンの甘く入ったスライダーを叩き、バックスクリーン左へ飛び込む勝ち越し2ラン。「久しぶりに興奮しました」とは栗山監督。今シリーズ2本目の本塁打を放った殊勲の助っ人砲は、「ファンのみんなの反応でホームランだと分かった。最高の気分！」と興奮の表情で拳を高く突き上げた。
　その後、広島は9回に宮西を2死から攻め立て、會澤の四球から田中、菊池の連打で2死満塁としたが、最後は丸がフルカウントからの外角スライダーに手が出て空振り三振。「（宮西が）絶対に打ち取ってくれると信じていました」と栗山監督。ゲームセットの瞬間、安堵交じりの歓声が札幌ドームを包んだ。

　試合後のお立ち台では、レアードが「ファイターズ！ダイ・ス・シ！！ファイターズ、サイコー！」と歓喜の絶叫。最後まで緊迫の展開が続いた試合に「しびれました」と振り返った栗山監督は、「シーズン中も1試合1試合、選手たちが強く、うまくなってきた。1分でも1秒でも長く、この日本シリーズを戦うことができれば必ずやもっともっと前に進みますし、ここまで頑張っている選手に最後、北海道のみなさんと一緒に喜ばせてあげたい」と2連敗スタートのショックを完全に振り払ったチームに対して目を細めた。これで2勝2敗の五分。決着の行方は、最短で第6戦となった。