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ダルビッシュ、契約延長で6年総額209億円に迫る可能性? レ軍記者が分析


レンジャーズがダルビッシュ有投手と契約を延長するためには、6年総額2億ドル(約209億円)近くの金額が必要になると、地元紙の番記者が分析している。

■来季終了後にFAのダルビッシュ、引き止めるためにかかるコストは?

 レンジャーズがダルビッシュ有投手と契約を延長するためには、6年総額2億ドル(約209億円)近くの金額が必要になると、地元紙の番記者が分析している。来季で6年契約が満了となる右腕と今オフのうちに契約延長することが、レンジャーズにとっては最優先事項とされているが、来オフにFAとなれば、金額はさらに「高騰する」可能性もあるという。

 ダルビッシュはポスティングシステム(入札制度)を利用し、2012年に6年契約で日本ハムからレンジャーズに加入。当時は、落札額に上限(現在は2000万ドル=約20億9000万円)がなかったため、約5170万ドル(現在のレートで約54億円)と史上最高額を記録し、逆に年俸は6年総額5600万ドル(約58億4000万円)と抑えられた。新たな契約では、ここから大幅にアップすることが確実な状況だ。

 渡米後も圧倒的な能力を証明してきたダルビッシュ。2年目の13年には13勝9敗、防御率2.83、リーグトップ277奪三振でサイ・ヤング賞投票2位に入った。14年シーズンは後半戦で離脱し、15年シーズンは開幕前の右肘靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)で棒に振ったものの、今年5月に復帰。ここ3年はシーズン通してフル稼働はしていないが、1つ1つのボールがメジャートップクラスであることは誰もが認めており、トミー・ジョン手術後は復帰2年目以降に完全復活を遂げる選手が多いことも、プラスに作用しそうだ。

 地元紙「ダラス・モーニング・ニュース」電子版では、レンジャーズの番記者やコラムニストら専門家による対談を実施。その中で、レンジャーズ番を長く務めるエバン・グラント記者が、ダルビッシュを引き止めるためにかかるコストとして「6年、2億ドル近くになるだろうと思っている」と分析している。以前の対談では「6年、最大で1億8000万ドル(約188億円)」と予想していたが、さらに上積みされた形だ。6年総額2億ドルは、現在のメジャーで年平均額最高を誇るザック・グリンキー投手(ダイヤモンドバックス)の6年2億650万ドル(約215億円)に迫る数字となる。

■「彼が海を渡ってきた理由は、MLBでベストな投手になるため」

 グラント記者は、レンジャーズが莫大な額を出せる理由として「もし新球場建設に関しての投票が可決されれば、レンジャーズは5億ドル(約521億円)の収入を見込んでおり、チーム価値も向上するとしている」と説明している。また、「もしFAとなれば、彼と契約するのは難しいと思う。市場は極端に高騰すると思うが、今ならば先手を打って契約をまとめることもできるはずだ」とも指摘。今オフから来季にかけて契約延長交渉がまとまらず、ダルビッシュが来季終了後にFAとなれば、年俸総額はさらに上る可能性があるというのだ。

 もちろん、残留交渉で鍵となるのは金額だけではない。生活面や“チーム愛”なども大きなポイントとなるはずだ。ただ、「彼はここが好きなのか、それとも出ていきたいのだろうか?」と質問を受けたグラント氏は「彼はここが好きなのだと思う。ただし、その一方で彼はビジネスマンでもある。彼は日本からアメリカへやってきた。海を渡ってきた理由は、MLBでベストな投手になるためだ。私が思うにMLBでベストな投手でいられるならば、レンジャーズでプレーをしようが、(例えば)マリナーズでプレーをしようが、彼は気にかけないと思う」とも指摘した。

 現時点でも高い評価を受けるダルビッシュだが、もし来季サイ・ヤング賞に絡むような成績を残せば、オフに大争奪戦に発展することは確実。レンジャーズとしては、その前に契約延長を決めたいところだろう。日本人右腕の去就に大きな注目が集まっている。

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