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関西大が47年ぶり白星!故障に苦しんだ元エースが復活を果たす【11/18 第五十回記念明治神宮野球大会・大学の部準々決勝 関西大vs金沢学院大】

 関西五連盟第一代表の関西大が森翔平(4年・鳥取商)、肥後皓介(4年・広陵)の完封リレーで優勝した第3回大会以来、47年ぶりの勝利を挙げた。

 社会人野球の日本生命で投手、監督として優勝した経験もある就任6年目の早瀬万豊監督は、4度目の神宮大会出場にしてこれが初勝利。「ここでまず1勝というのが念願でした」と晴れやかな表情で話した。

4度目の挑戦で念願の神宮大会初勝利を勝ち取った早瀬監督

 過去3回は創価大、明治大と関東の強豪と対戦していずれも1失点と得点力不足に苦しんだ。そのこともあり、「何とか4点以上取りたい」(早瀬監督)と意気込んでこの試合に臨んでいた。

 放った安打は相手と同じ7本だが、「効率良く取れました」と早瀬監督が話すように好機を確実にモノにした。

 まずは2回裏、四球で出塁した先頭打者を犠打で確実に進めると、二死一、二塁から8番・坂之下晴人(2年・大阪桐蔭)のタイムリーで先制。
 5回裏にも四球と犠打でチャンスを作ると、一般入学からラストシーズンにレギュラーを勝ち取った2番・関本英実(4年・日高)がレフトオーバーのタイムリー二塁打を放って、追加点を挙げる。6回裏にも4安打で3得点と効率よく得点を重ねて、試合を決定づけた。

 守りでもリーグ戦後半に大活躍を見せた森がこの日も躍動。4回以降は毎回のように走者を出しながらも得点は許さず、8回まで13奪三振の好投を見せた。しかし、疲れが見えた9回表に安打と四球で無死一、二塁のピンチを招くと、早瀬監督は秋のリーグ戦で登板のなかった肥後をマウンドに送り出した。

5月25日の春季リーグ戦以来の公式戦マウンドとなった肥後

 春は開幕投手を務めるなど、エース格の働きを見せていた肥後。しかし、春のリーグ戦途中から右肩の関節唇損傷に悩まされていた。春は何とか最終節まで投げ切ったが、この秋は戦列を離れ、スタンドから仲間に声援を送っていた。

 それでも10月下旬に復活の手応えを感じるようになり、直前のメンバー変更で登録メンバーに滑り込んだ。本人の感触では「7~8割」という状態だったが、持ち前の制球力は健在。ライトフライ、三振、ファーストゴロで相手の反撃を封じた。

 約半年ぶりの公式戦マウンドを終え、「とにかく勝てて良かったです。仲間にはありがとうと言いたいです」と笑顔を見せた肥後。投手陣の柱が復帰して、47年ぶりの優勝に弾みをつける1勝となった。

■準々決勝;関西大vs金沢学院大
金沢学院大 000000000=0
関西大   01001300x=5

【金】●松井、武並、長谷川、和田、孫大-黒田
【関】○森、肥後-久保田

◎金沢学院大・角尾貴宏監督
「失点した回は全て先頭打者を四球で出していました。そこが敗因かなと思います。4年生が多く出ていましたが、下級生もこれを見て、『今度は俺たちがやるんだ!』という気持ちになってくれたと思います。来年の春に向けてここに戻って来られるように鍛え直したいと思います」

文・写真=馬場遼