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HOT GAMES ギャオス内藤が斬る『6月13日 東京ヤクルト 対 東北楽天』

あっという間にシーズンが進み、各チームが60試合程度を終えている。今年の日本生命セ・パ交流戦も残りふたカードとなり、前半戦の終了まであとわずかだ。今回話を聞かせてくれたのは、ギャオス内藤氏。今年の交流戦ここまでの感想とともに、古巣の危機について語ってくれた。

——ギャオスさん、交流戦もいよいよ終わりを迎えようとしています。ここまでの感想を聞かせてもらえますか?

「例年どおりと言ったら軽い言葉になってしまいますけど、今年も結果的にはパ・リーグがいい戦いを続けたなという感想です」

——13日の試合を終えた時点で、パ・リーグが45勝、セ・リーグが32勝という結果となっています。

「交流戦2カードを終えたぐらいのときはカードの組み合わせもあって、もうちょっとパ・リーグが勝っていましたよね。広島、阪神の2チームがセ・リーグのチームとして結果を出してくれたので、これぐらいの結果に収まっていますが、もっと離れてしまってもおかしくないなという感じはしました」

——これだけの差が出てしまう理由はなんなのでしょうか?

「これは諸説出ていますけども、これだけ何年も続いてしまうとシンプルに力の差と言わざるを得ない部分はあると思います。いまの時代ですから、普段戦わない相手とはいえ、ある程度情報を持った上で戦いに臨んでいるとは思うんですが、結果を分けるのはいかに自分たちのプレーというか、自分の仕事ができるか。ピッチャーであれば、低めに投げるだとか、バッターであれば、好球必打するとか、そういう最低限の部分がしっかりできるほうに軍配が上がるでしょう」

——セ・リーグはそういった部分があまりできていない?

「今シーズンでいえば、結果をみても明確ですけども、巨人、ヤクルトの2チームがそういった部分に課題を抱え“すぎて”いますよね。押し出しで失点を重ねたりというシーンも見ましたし、連敗も重ねてしまった。昨日時点で巨人はチーム防御率が5点台、ヤクルトは6点台です。普通の数字ではないですよね。加えて打率も2割台前半ですから、勝つのは簡単ではないですよ」

——ギャオスさんの古巣であるヤクルトは、ここまで交流戦わずか1勝に終わっています。

「ケガ人が多いですし、普通のプレーをするにも選手が大変ですよね。ただ、ケガは不運ではありますが、チームとしてはある程度想定もしておかなくてはいけない部分だと思います。ケガ人が出すぎて勝てない、というような風潮はあまりよくないと思っています」

——昨日の試合でも楽天に大差をつけられて(12対3)の敗戦でした。

「ベテランの石川が先発だったわけですが、初回に先頭に3ベースを打たれて、続くペゲーロのタイムリー。完全に楽天のペースで試合をスタートさせてしまっています。追加点を取られた3回は先頭のフォアボールがキッカケです。悪い時はこういう悪循環が出てしまいがちですよね」

——窮地を抜け出すためのポイントは?

「特効薬はないでしょう。巨人が大型連敗したときもそうでしたけど、結局、悪い時は自分たちの野球ができていません。普段見逃していないボールを見逃してしまったり、打つべきでない球に手を出してしまったりということになりがちです。いかに普通にできるかがポイントになるでしょうね」

——交流戦は残り5試合です。ズバリ、優勝予想は?

「難しいところですが、楽天か広島かなと思います。打線も元気ですし、勢いがありますからね。一度勢いがついたら止められらない、相手の隙をつく、自分たちの野球が明確なチームなので、いいのではないかなと思いますが、こればっかりはどうなるかわかりませんね」

——ありがとうございました。

ギャオス内藤(ぎゃおす・ないとう)

球歴:豊川高 ヤクルト ロッテ 中日

現役時代はパワフルな投球でファンを魅了。ヤクルトでは2年連続で開幕投手を務めるなど、エースピッチャーとして活躍した。引退後は、野球解説者として活動の場を広げている。2013年から2014年まではBCリーグ・新潟の監督も務めた。愛知県出身。右投げ右打ち。投手。本名は内藤尚行(ないとう・なおゆき)。