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初スタメンの岩本久重が決勝のタイムリー3塁打!早大が白熱の延長戦を制して1勝1敗!【10/20 秋季東京六大学野球 2回戦 早稲田大学 vs立教大学】

早大の先発・徳山は8回を123球、8安打2失点の力投を見せた

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 早大が延長戦の末に5対2で立大を退け、今カード1勝1敗として3回戦に持ち込んだ。

 立大が先勝して迎えた2回戦。久々の秋日和に包まれた中、立大・手塚周(4年・福島)と早大・徳山壮磨(2年・大阪桐蔭)の両先発右腕が投手戦を展開。序盤3回はともに1安打ずつ。中盤に入っても試合は動かず、6回を終えて手塚が2安打無失点、徳山は4安打無失点とテンポ良く試合が進んだ。

 均衡が敗れたのは7回だった。この回から2番手でマウンドに上がった立大・中﨑響介(3年・立教新座)に対し、6番・岩本久重(2年・大阪桐蔭)のヒットから1死2塁として、8番・金子銀佑(3年・早稲田実)がレフトオーバーのタイムリー2塁打。さらに9番の投手・徳山が自身リーグ戦初ヒットとなるタイムリーを放ち、この回2点を先制した。

 対する立大もすぐさま反撃。その裏、2死2塁から投手の中川颯(3年・桐光学園)が三遊間を破るレフト前タイムリーで1点差とすると、続く8回裏には2死から山田健太(1年・大阪桐蔭)、江藤勇治(4年・東海大菅生)の連打で1、3塁とし、相手のワイルドピッチで同点。9回を終えて両軍8安打ずつの2対2で延長戦に突入した。

延長12回表、1死満塁から早大の岩本が右中間を破る走者一掃のタイムリー3塁打を放つ

決勝タイムリーを放った岩本が3塁ベース上でガッツポーズ。この日は好リード&強肩でも勝利に貢献した

そして迎えた延長12回表、この日のヒーローはリーグ戦初スタメンの岩本だった。中川卓也(1年・大阪桐蔭)、福岡高輝(4年・川越東)、蛭間拓哉(1年・浦和学院)と3本のヒットで1死満塁となった場面で、「何としてでも、という気持ちで、逆方向を意識して食らい付いた」と右中間を破る走者一掃のタイムリー3塁打。この日は捕手としても高校時代からの同級生・徳山を好リードしながら、高校の後輩である宮﨑仁斗(1年・大阪桐蔭)宮崎の盗塁を2度も阻止。小宮山悟監督から「来年は4番キャッチャー」と明言された岩本は、「常日頃から準備をしているので焦りはなかった。来年、再来年に向けてもすごくいい経験ができた」と自らの決勝打による勝利を笑顔で噛み締めた。

立大の先発・手塚は6回2安打無失点で8奪三振の好投を見せたが勝利には繋がらず

■早稲田大vs立教大2回戦
早稲田大 000 000 200 003=5
立教大  010 000 110 000=2
【早】徳山、早川、○柴田−岩本
【立】手塚、中﨑、●中川、宮崎晃−藤野

◎早稲田大・小宮山悟監督
「(先発の徳山は)ある程度のところまで引っ張れるところまで引っ張った。そういう経験をしないと行けない。最後まで一人で投げられるようにするための、最後まで踏ん張れるかどうかを見るいい機会だった。(8回は)力が入り過ぎてワイルドピッチにはなりましたけど、それまでの投球を考えると十分すぎる力は誇示できたと思います。下級生たちは今年の(ドラフトで)指名漏れした4人の悔しさを分かっている。12回は泣いても笑っても最後の攻撃だった。4年生たちもそういう思いも練習してきましたし、いい攻撃でした。(岩本は)来年、4番キャッチャーでいきたい。力は十分にあると理解している。小藤がいるので出番に恵まれずにいたけど、ここまでよく我慢してやってきた」

◎早稲田大・岩本久重(2年・大阪桐蔭)
「(12回の決勝打は)中川投手に2打席凡退して悔しい思いだった。何としてでも、という気持ちで、逆方向を意識して食らい付いた。踏み込んで打ちました。(立大・宮崎の盗塁を2度阻止して)宮崎は足も速くて盗塁の技術もあると分かっているのでマークしながらやっていた。スローイングは自信を持ってやっているので刺せて良かった」

文・写真/三和直樹