- プロ野球
2019.10.17 14:00
2019年ドラフト展望(各球団動向編)
■投手に期待が高まる2019年
昨年のドラフト会議では、12球団中11球団が根尾昴(現中日)、藤原恭大(現ロッテ)小園海斗(現広島)の高卒野手3名に1位入札した。今年は昨年の様相とは異なり投手への1位指名が集中することが予想される。将来性が期待される高校生か、即戦力の大学生や社会人を指名するか、各球団の戦略に注目したいところだ。
■大器の可能性か、完成度の高い即戦力か
今年のドラフトで1位候補として注目を集めるのは、佐々木朗希(大船渡高)、奥川恭伸(星稜高)、森下暢仁(明治大)の3投手だ。
佐々木は甲子園の出場経験はないものの、高校生史上最速となる163キロを計測するなど、スケールの大きさは今年のドラフト候補の中でも屈指だ。すでに日本ハムが1位指名を公言しているが、他にも抽選覚悟で手を挙げる球団が現れるだろう。
奥川は勢いのあるストレートに加え、スライダーやフォークといった変化球のキレも抜群の本格派。高校生ながら即戦力としての評価も高く、先発投手が手薄な球団は是が非でも獲得したいところだ。
森下は伸びのある直球を軸とした緩急自在の投球が光る右腕。4年時の全日本大学野球選手権では最優秀投手賞に輝き、大学No.1投手の評価にふさわしい結果を残した。彼らの獲得に成功するのは、どの球団になるだろうか。
■高い能力を秘めた高校生
高校生では、西純矢(創志学園高)も上位指名候補だ。躍動感あふれる豪快なフォームから投じる150キロを超える直球と鋭く変化するスライダーを生かし、U-18野球ワールドカップでは抜群の存在感を示した。
及川雅貴(横浜高)は3年夏の甲子園には出場できなかったものの、左腕でありながら最速153キロを記録したポテンシャルへの評価は高く、こちらも上位候補の1人と目される。
野手にも多くの逸材が集まっている。森敬斗(桐蔭学園高)は俊足を生かした広い守備範囲と強肩が魅力で、本職のショートに加えWBSC U-18野球ワールドカップでは外野も務めた。石川昂弥(東邦高)は広角に大きな打球を飛ばす長打力が持ち味で、高校通算55本塁打をマークしている。将来の中軸候補として指名を狙っている球団もありそうだ。
■捕手に逸材がそろう大学生
大学生は捕手に注目だ。海野隆司(東海大)は強肩と勝負強い打撃が持ち味で、大学No.1捕手とも評される。佐藤都志也(東洋大)はシュアなバッティングと捕手では希少な俊足が武器。郡司裕也(慶應義塾大)は巧みなインサイドワークと強打が魅力だ。いずれも上位での指名が予想され、新たな扇の要候補として争奪戦が繰り広げられるだろう。
投手では、多彩な球種で打者と勝負する吉田大喜(日本体育大)や、サイドハンドから力強い直球を投げ込む津森宥紀(東北福祉大)らが上位候補となりそうだ。
■即戦力が豊富な社会人
社会人では、河野竜生(JFE西日本)や立野和明(東海理化)ら高卒3年目でドラフト解禁を迎える投手の上位指名が有力視される。河野は最速151キロのストレートとスライダーのコンビネーションが秀逸なサウスポー。立野は威力のあるストレートが武器の本格派右腕だ。
野手では、佐藤直樹(JR西日本)が高い評価を得ている。50メートル5秒8の俊足と遠投120メートルの強肩はプロでも遜色なく、外野の即戦力としてリストアップしているチームもあるだろう。
例年、幾多のドラマを生んできた運命の一日が間もなくやってくる。10月17日に行われるドラフト会議で情報戦を制し、戦力アップに成功するのはどの球団となるか。
※データはすべて2019年10月7日終了時点