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ドラフト候補・山崎剛の同点弾などで粘るも国学院大及ばず亜細亜大に惜敗。東洋大の優勝決まる【東都大学野球】

★3度の同点劇も及ばずV逸

勝てば優勝の望みを繋いだ国学院大だったが、亜細亜大との3回戦で延長11回の末に8対11で敗れ、2010年秋以来2度目の優勝には届かなかった。一方、東洋大は最終週の試合前に2011年春以来12季ぶり17度目の優勝を決めた。

「力の差です。選手たちは持てる力を精いっぱい出してくれました」
試合後、国学院大・鳥山泰孝監督は悔しさを滲ませながら選手たちを労った。初回に失策なども絡み4点を失ったが、その裏に先頭の山崎剛内野手(4年・日章学園)の二塁打と相手失策を皮切りに3点を奪い、息を吹き返した。

その後も中盤に点差を離されかけたが、6回から1点ずつを返し、8回には同点に追いついた。さらに9回、上田隼也外野手(3年・高知)の本塁打で勝ち越されるも、その裏の先頭打者・山崎が「狙っていました」という本塁打で見事に追いつき、試合は延長戦にもつれ込んだ。

9回裏に同点本塁打を放った山崎剛(国学院大)


延長10回、亜細亜大は代打の中尾友樹内野手(3年・育英)が四球を選び、その後に三塁まで進むと国学院大バッテリーの隙をつく本盗を決め、勝ち越した。それでも国学院大は、その裏に西丸泰史内野手(3年・尽誠学園)の三塁打と途中出場の飯野周太外野手(4年・修徳)のタイムリーで同点に追いついた。

だが、粘りもここまでだった。その後の好機で代打を出さずに託した下位打線が凡退すると、4回からロングリリーフし球威の落ちていた宮内崇匡投手(4年・土浦日大)が11回に亜細亜大・正随優弥外野手(3年・大阪桐蔭)に左中間深くに運ばれる3ランで万事休す。

激闘の末に敗れた国学院大は、首位を走る東洋大に勝率で届かずに優勝を逃す結果となった。

諸見里匠主将は「勝ちより大きなものを得られたと思うので、猛練習して秋に他校を圧倒できる力をつけたいです」と雪辱を誓った。


◎国学院大・鳥山泰孝監督

「監督として勉強して力をつけていかなくてはいけません。(主力投手の)清水と山口を欠く中でここまで戦えたことは収穫ですが、今日は終盤に“宮内しかいない”という状況になってしまいました。彼はよく投げてくれましたが、これを見て他の投手たちがどう思ってくれるかが大切になってくると思います」

◎国学院大・山崎剛内野手

「9回表に本塁打を打たれてから、その裏の本塁打を狙っていました。狙い球は相手投手が多投していたスライダーでした。優勝した東洋大との差は勝負どころで勝ちきれるかどうか。下を向かずに前を向いてやっていきたいです」

◎亜細亜大・正随優弥外野手※2本塁打5打点の大活躍

「今季は迷惑しかかけていなかったので、最後くらいは仕事をしたいと思っていました。これを秋に繋げることができればと思います」

決勝3ランを放った正随優弥(亜細亜大)


★亜細亜大vs国学院大3回戦

亜細亜大 40011000113=11
国学院大 30000111110=8
(延長11回)
【亜】中村(稔)、嘉陽、高橋(遥)、山城、持田—頓宮、佐久本
【国】山岡、●宮内、田中—横井、川野辺
本塁打:亜細亜大・正随《5回ソロ、11回3ラン》、上田《9回ソロ》国学院大・山崎《9回ソロ》

文・写真:高木遊