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初登板の4年生投手がピンチ救う! 投打に上級生の活躍飛び出し亜細亜大が連勝!【東都大学リーグ】

日本大vs亜細亜大2回戦

亜細亜大 010102000=4
日本大 000010010=2
【亜】井上、比嘉(健)、〇嘉陽―佐久本
【日】●田村(孝)、植谷―西田(賢)

タイムリー三塁打を放つ高橋優(亜細亜大)


亜細亜大が連勝し、優勝の可能性を残した。

前日、来季を見据えて残りの試合に臨むと生田勉監督が話していたように、この日も下級生を多く先発メンバーに抜擢した。だが先発を託された井上仁裕投手(1年・育英)は初回、連続四死球を与えて降板。しかし生田監督は、試合前のブルペンから井上の顔色が青く、様子がおかしいと感じ、2番手投手として打撃投手を務めており制球力に優れる比嘉健一郎投手(4年・沖縄尚学)をあらかじめ準備させていたという。その比嘉(健)はリーグ戦初登板にもかかわらず、無死一、二塁のピンチを見事無失点で切り抜けた。

2回、2死二塁から比嘉龍寿内野手(2年・興南)がセンターへタイムリーを放ち、亜細亜大が先制。4回には1死二塁から手塚渓登外野手(指名打者で出場/3年・横浜隼人)のタイムリーで2点目。1点差に詰められた直後の6回には、暴投と高橋優外野手(3年・神戸国際大附)のタイムリー三塁打で2点を挙げた。

投げては2回からリリーフした嘉陽宗一郎投手(4年・松山聖陵)が、日本大打線を内野ゴロによる2失点のみ(自責点は0)に抑え、リードを守り切った。

日本大は初回の好機に続き、2回に連打で無死一、二塁のチャンスを作るが、二塁走者が転倒してアウトに。4回以降も毎回走者を出したが8残塁とホームが遠く。6回途中、無死三塁から登板した植谷翔磨投手(2年・松戸国際)がパーフェクトに抑えて味方の反撃を待つも及ばなかった。

初回のピンチを見事に切り抜けた比嘉健一郎(亜細亜大)


◎亜細亜大・生田勉監督

「井上はブルペンから様子がおかしかったのですが、1年生ですしこういうこともあるかもしれないと。昨日からバッティングピッチャーでコントロールのいい比嘉(健)をもしもの時のためにベンチに入れておきました。今日の勝因としては比嘉(健)が初回を0点に抑えてくれたことですね。あとは嘉陽が淡々と投げてくれましたし、昨日も内容がよかったので自信に繋がっているのかなと思います。ただ連投をあまりさせたことがないので、『5回持ってくれれば』と思っていましたが、球数も少なくのらりくらりと投げてくれました。

(優勝の可能性が残っているが)本当に知らなかったので、全くそういうことは考えず秋の事だけを考えて、1年生2年生でどれだけ秋に繋げられるかという思いでやってきました。その考えは残りのカードも変わりません」

◎連日の好救援を見せた、亜細亜大・嘉陽宗一郎投手(4年・松山聖陵)

「最初からリリーフと言われていました。井上次第ということでしたが、状態がよくなかったので初回から準備していました。接戦になると思っていたので、相手にリードされないように守備からリズムを作って行くことを意識して投げました。連投ですが、昨日は42球で済んでいるので体のハリもありません。キャンプから毎日投げ込みもしているので、キツさも感じませんでした。行けるところまで行こうという思いでした。

(先発から中継ぎになっているが)この2日間は感覚よくしっかり自分のピッチングができていると。今はリリーフですが、先発で投げたときに繋がればいいなと思います。監督からはロングリリーフや短いイニングでもピンチの場面でしっかり抑えるようにと言われています。希望は先発ですが、チームが勝つことが一番。チームの勝利に貢献できたので良かったです。優勝のことは考えず、次の國學院大戦でまずは一勝を挙げられるようにやっていきたいと思います」

文・写真:山田沙希子