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投手の打順で無念降板の前田健太「指揮官は本人に理由説明せず」と地元紙


20日(日本時間21日)に開催されたナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦は、中地区1位カブスが西地区1位ドジャースを8-4で下した。対戦成績2勝2敗で迎えた地元ロサンゼルスでの大一番で、ドジャース先発を務めたのは前田健太投手だった。

■試合前は前田に全幅の信頼を寄せた指揮官だったが…

 20日(日本時間21日)に開催されたナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦は、中地区1位カブスが西地区1位ドジャースを8-4で下した。対戦成績2勝2敗で迎えた地元ロサンゼルスでの大一番で、ドジャース先発を務めたのは前田健太投手だった。だが、1点ビハインドの4回2死一,二塁、打席にカブス先発左腕レスターを迎えたところで、まさかの降板。前田自身「ビックリした」という交代劇の理由について、ロバーツ監督は記者会見で説明したが、本人に説明はなかったという。地元紙「ロサンゼルス・タイムス」電子版が伝えている。

 地区シリーズ第3戦、リーグ優勝決定シリーズ第1戦に続き、今プレーオフで3度目の先発マウンドに上がった前田は、この日も早期降板を強いられた。これまで2戦では、合計7イニングで9安打6奪三振6四死球で7失点。いずれの試合もチームは黒星を喫していた。

 2勝2敗の5分で臨んだ第5戦は、勝った方がワールドシリーズ進出に王手が掛かる大事な一戦。地元メディアは、状況次第でエース左腕カーショーを投入する可能性も伝えたが、ロバーツ監督は「彼がマウンドに上がる試合は安心できる」と、前田に全幅の信頼を寄せて決戦のマウンドに送り出していた。

 だが、いざ試合が始まると、今季1年目の右腕は初回から1点を失い、形勢を不利にした。それでも2回と3回はカブス打線を圧倒。4回に二塁打と死球で無死一、二塁のピンチを招きながらも、続く2打者を抑え、あと1死でピンチ脱出という場面だった。ここで打席に迎えたのは、敵の先発左腕レスター。すると、指揮官は前田の降板に踏み切った。

■投手交代理由を記者会見で明かすも、本人には説明なし

 この日までは前田の肩を持っていたロバーツ監督だったが、「速球の制球が甘くなっていたし、変化球の曲がりも鋭く見えなかった。(レスターは1打席目に)いいスイングをしていたし、ファウラーを打ち取れると思わなかった」とバッサリ。わずか3回2/3を投げる間に、指揮官は右腕に対する信頼を失ってしまったようだ。

 この決定には前田もビックリ。記事では「その時、前田は降板決定に驚いたことを認めた。さらに、監督から采配に関する詳しい説明はなかったと話した」とし、試合後の記者会見ではあった投手交代に関する説明が、当事者本人にはなされていなかったと伝えている。

 ベンチに戻った前田は早期降板に悔しそうな様子だったが、度々与えられたチャンスを物にできなかった現実がある。記事によれば,前田は「先発の仕事は長い回を投げることで、自分がそれができなかった。結果として、チーム全体に大きなプレッシャーを掛けてしまった」と通訳を介して話したそうだ。PO3度目の先発も短命に終わった右腕をについての記事に「マエダの登板はよくなったけど短かった」という見出しをつけるなど、地元紙も手厳しかった。

 崖っぷちに追い込まれたドジャースが、26年ぶりのワールドシリーズ進出を果たすためには、22日(同23日)から敵地シカゴで行われる2戦に連勝すること。目の前の課題は大きいが、なんとか乗り越えたい。

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