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外れ1位で5球団競合の佐々木 熱いファンに“刺さる”野球への姿勢とロッテ愛


20日のプロ野球ドラフト会議で、外れ1位では異例の5球団競合になった桜美林大学・佐々木千隼投手の交渉権は、抽選の末、ロッテが獲得した。

■外れ1位で異例の5球団競合、一流の条件を持つ最速153キロの変化球投手

 20日のプロ野球ドラフト会議で、外れ1位では異例の5球団競合になった桜美林大学・佐々木千隼投手の交渉権は、抽選の末、ロッテが獲得した。最速153キロ右腕と聞いただけで剛腕のイメージがあるが「自分は変化球で打者を打ち取る投手と思っています」と言い切る変化球投手である。持ち球は直球、カーブ、フォーク、スライダー、チェンジアップ、カットボール、シンカー。憧れのダルビッシュ有(レンジャーズ)にひけをとらないほど多彩な球種を持っている。

 そんな佐々木は桜美林大学では初めての支配下選手としてドラフトにかかった。佐々木はチーム、学校の新たな歴史を刻んだことになる。「後輩たちもこうして続いていってくれればいいです」と、この後もプロが出てくることを願っていた。入学当初は首都大学2部リーグ。昇格した1部では巨人菅野(東海大)に並ぶ、年間7完封を記録した。注目度は次第に高まっていった。

 最初は桜美林大・津野監督も佐々木本人もプロを意識していなかったが、2年の時に佐々木がプロ希望を口にした。マウンド上の長所である「闘争心」に火がついた。監督は「彼の優れているところは、ひとつの目標を持った時に努力をし続けることができる『継続力』だと考えています。それが彼の強みだと思います」と2年前の12月31日のことを思い出していた。「(大みそかに)グラウンドに来たら、黙々とダッシュをしていた。夢を現実にさせるんじゃないかと思いました」。ひたむきに一歩ずつ、我慢強く練習ができる。一流の条件ともいえる部分を佐々木は持っている。

■ロッテにいくつもの好印象、「目標は1軍に入ってローテで優勝に貢献」

 ロッテにはいくつもの好印象を持っている。まずは、先発の投手力が高いということ。中でも小さい頃から涌井のファン。「ストレートの質が良く、魅力のあるボールを投げる方。ぜひ自分もそうなりたい」と夢をふくらませた。また、伊東監督は捕手出身。「ご指導いただければうれしいなと思います」。直接指導の時も来るだろう。

 さらに、熱狂的で知られるロッテの応援について抱いている印象は『声援がすごい』とか、『応援歌がかっこいい』という“一般論”ではなかった。「ファンと一体となって戦っている感じがします。自分自身、ファンに愛される選手になっていきたいです」と口にした。佐々木にとってはファンも戦力という印象が強いようだ。応援から力をもらうことも多い。この言葉はロッテファンにとってはうれしいのではないだろうか。

「目標は1軍に入ってローテで優勝に貢献したいというのが今の気持ちです」

 ローテに入り、優勝できれば、新人王も見えてくる。ファンに愛され、実力のある選手へ。ロッテのスターへの道を佐々木は歩み始める。

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