BASEBALL GATE

高校野球

大阪桐蔭、豪快4発で履正社との「大阪天王山」制し
5年振り2度目のセンバツ優勝果たす!

4月1日(土)「第89回選抜高等学校野球大会」12日目。前日、天候不良のため順延となった決勝戦が青空の下で行われた。対戦カードは、準決勝で報徳学園(兵庫)を9回表に逆転し、6-4で制した履正社(大阪)と、秀岳館(熊本)との投手戦を2-1で制した大阪桐蔭(大阪)。大会史上初、大阪府勢同士の対戦となった。

「選抜最終日」 履正社―大阪桐蔭  履正社―大阪桐蔭 9回表、決勝2ランを放った代打西島(中央)を迎える大阪桐蔭・西谷監督【写真提供:共同通信社】

試合は昨秋の大阪府大会準決勝同様、大阪桐蔭の先制パンチでスタートする。1回表・1番の藤原 恭大(2年)が2ボール2ストライクから履正社の先発・竹田 祐(3年)の投じたインコース低めのスライダーをライトスタンドへ運ぶ先頭打者ホームラン。センバツ史上13本目、決勝戦では82年・PL学園の佐藤 公宏以来2度目となる一打で先制する。

大阪桐蔭は2回表にも7番・坂之下 晴人(3年)がフルカウントから高めのボール気味の真っ直ぐをレフトへソロホームラン。序盤は一発攻勢でリードを奪った。

大阪桐蔭の先発は徳山 壮磨(3年)。1回裏は石田 龍史(3年)を外角のボールになるスライダーで空振り三振。溝辺 冬輝(3年)もスライダーで見送り三振。さらに、注目のスラッガー・安田 尚憲(3年)に対してはフルカウントから外角のストレートで見逃し三振を奪い三者連続三振という最高の立ち上がりを見せた。

対する履正社の竹田は序盤、浮き気味だったボールが低めに集まる。大阪桐蔭は3回表・4回表と三者凡退。5回表は二死から8番・泉口 友汰(3年)がヒットがヒットで出塁も徳山から外角のスライダーで見逃し三振に倒れた。

ただし、履正社打線は、大阪桐蔭・徳山のアウトローにコントロールされたストレート、スライダーに苦しみ、5回まで3四球を選ぶもノーヒット。中盤は投手戦となり、5回までを終えた。

再び試合が動いたのは6回表。大阪桐蔭は、この回先頭の1番・藤原が高めのストレートを振り抜いて右中間スタンドへ運び、センバツ決勝戦では初となる個人2本目のホームラン。3-0とリードを広げた。

しかし、昨秋大阪府大会準決勝では7-4で逆転勝ちしている履正社は、終盤に猛攻を見せる。6回裏にまずは9番・西山 虎太郎(2年)が右中間フェンス直撃の三塁打でチーム初安打をマークすると、8回裏は、1番・石田がセカンド内野安打で出塁後、二死から安田が三遊間を真っ二つに破るレフト前ヒットで一・三塁。ここで前の打席はチャンスで三振した若林 将平(3年)がレフト前へ名誉挽回のタイムリー。続く5番・浜内 太陽(2年)も左中間へ2点適時二塁打。中軸の鮮やかな3連打で同点に追いついく。

騒然となる大甲子園。しかし、大阪桐蔭にはこの切り札が残っていた。9回表に先頭の7番・坂之下がライト前ヒット。バントで二塁に進めると、西谷 浩一監督は9番・ピッチャーの徳山に代打・西島 一波(3年)を送り込む。

すると、西島はベンチの期待に応え、竹田の内角寄りの真っ直ぐをレフトスタンドへ2ランホームランを放って勝ち越し。さらに気落ちした竹田から、途中出場の2番・根尾 昂(2年)から、中川 卓也(2年)・山本 ダンテ武蔵(3年)の3連続タイムリーで、この回一挙5点。

9回裏は2番手の根尾が2四球を出したものの、最後は石田をショートゴロ併殺に打ち取り、大阪桐蔭が8-3で履正社に昨秋大阪府大会準決勝のリベンジを果たし、藤浪 晋太郎(現:阪神タイガース)がエースだった2012年以来、5年ぶり2度目のセンバツ優勝。終盤の勝負強さと、誰が試合に出場しても結果が残せるチームの層の厚さが栄冠を呼び込んだ。

対してエース・竹田が4本塁打を浴び、初優勝に手が届かなかった履正社。だが、8回は一時同点に追いつく意地を見せるなど、素晴らしい戦いぶりだったと言えるだろう。

これで12日間に渡った「センバツ」はすべての日程を終え、選手たちは夏の甲子園へ向け、再び成長の日々に入っていく。