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プロ野球

投手の球数は打線に影響を及ぼすか

 守備の時間が長いと野手のリズムが乱れ、その後の攻撃に悪い影響が出る、というのはよく聞かれる話だ。そこで今回は「守備時間の長さ」の一要素である「球数の多さ」と、打線の援護点の関係を検証する。まず投手が1イニングあたりに要した投球数を表のように区分し、それぞれのカテゴリーに属する投手の援護点を合算して援護率を求めてみた。すると、P/IPが16.5以上17.0未満の投手は援護率が高かったが、その他ではあまり差がなかった。

 今度は先発投手ごとにP/IPと援護率を見ていこう。P/IPで2016年のNPBトップだったヤクルト・山中は、援護率では対照的にNPB平均4.32を大きく下回る2.76。同じく比較的球数を少なく抑えた中日・吉見も同2.19で、援護に恵まれていない。一方、吉見と同じチームでプレーしたジョーダンや若松は、P/IPが非常に多いにも関わらず吉見の倍近い援護を受けていた。守備時間の長さには投手の投球テンポやけん制数なども考慮する必要があるが、少なくとも1イニングあたりの投球数という観点においては、打線の調子との関連性は薄いと考えてもいいだろう。

※データはすべて2016年シーズン終了時点

文:データスタジアム