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高校野球

機動力活かした報徳学園が8得点
大会4試合目の福岡大大濠、力尽きる

3月29日(水)「第89回選抜高等学校野球大会」10日目。準々決勝の第2試合は、2回戦で前橋育英(群馬)を4-0で下した報徳学園(兵庫)と、滋賀学園(滋賀)との延長15回、再試合を5-3で制してきた福岡大大濠(福岡)の一戦である。

「選抜第10日」 報徳学園―福岡大大濠  準決勝進出を決め、喜ぶ報徳学園ナイン【写真提供:共同通信社】

福岡大大濠は今大会、延長15回を含む3完投。前日も滋賀学園相手に9回を投げ切ったエース・三浦 銀二(3年)を休ませ、徳原 世羅(2年)を先発に送った。

しかし報徳学園はそんな徳原の立ち上がりを機動力を使い崩しにいく。1回裏、一死から2つの四球を得ると、2番・永山 裕真と3番・片岡 心(3年)が鮮やかにダブルスチールを決めて一死二・三塁。ここで4番・篠原 翔太(3年)がライト前にポトリと落とすタイムリーを放って先制点を奪った。

報徳学園は3回裏にも、福岡大大濠2番手の西 隼人(2年)から先頭の1番・小園 海斗(2年)がレフト前ヒット。2番・永山が見事なバスターエンドランを決めた無死一・三塁から、片岡が適時打。さらに一死一塁から4番・篠原はライト線適時三塁打、5番・池上 颯(3年)も一・二塁間を破って3得点。4-0とリードを広げた。

報徳学園の先発・西垣 雅矢(3年)に対し、福岡大大濠が反撃に転じたのは5回表。先頭の8番・樺嶋 竜太郎(2年)が三遊間を破り、西がバントで送ると、1番・久保田 有哉(3年)のショートゴロがエラーを誘い二塁走者がホームイン。ここまで無失点を続けていた西垣から1点をもぎ取った。

ただ、この日の報徳学園はスキを見せなかった。5回裏は片岡のヒットと篠原の三塁線を破る二塁打で得た一死二・三塁で5番・神頭 勇介(2年)はスクイズを敢行。これが西の制球を狂わせダブルスチールとなると、神頭もセンター前にタイムリーを放ち6-1。試合の主導権を渡さなかった。

その後、福岡大大濠は6回表に樺嶋が左前適時打。7回表には5番・稲本 侑星(2年)がレフト前にタイムリー。報徳学園も捕手から投手に転じた福岡大大濠3番手・古賀 悠斗(3年)から6回裏に小園が適時二塁打。8回裏には8番・岡本 蒼(3年)がライトポール際に大会第17号のソロホームラン。最後は点の取り合いとなったが、態勢は変わらず。

最後は報徳学園の二番手・池上が8・9回の2イニングを三者凡退に抑え8-3。福岡大大濠を下した報徳学園が8年振りのセンバツベスト4を決めた。

なお、勝った報徳学園は、明日3月30日(木)の大会第11日・第1試合で履正社(大阪)と準決勝を戦う。