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森下が延長10回を完封&20奪三振!明大を緊迫の投手戦を辛うじて制す!【5/11 春季東京六大学野球 1回戦 東京大学 vs 明治大学】

尻上がりに調子を上げて計20奪三振で今季初完封マークした明大・森下


 明大が延長戦の末に1対0で東大にサヨナラ勝ちを収めた。
 明大・森下暢仁(4年・大分商)と東大・坂口友洋(4年・日比谷)の両右腕の先発で始まった一戦。森下は大学代表でも活躍した今秋のドラフト上位候補。「立ち上がりが良くなかった」と2回、3回と得点圏に走者を背負いながらも粘りのピッチングを展開。対する坂口は昨年までリーグ戦登板がなく、この日が自身初先発だったが、「今日はスライダーが良かった」と序盤から低めにボールを集めて攻撃の糸口すら掴ませず。4回以降は完全に投手戦となり、尻上がりに調子を上げた森下、疲れの色を見せない坂口が、ともに4回から9回1死までノーヒットピッチングを続け、試合は0対0のまま延長戦に突入した。


9回まで無失点ピッチングを続けた東大・坂口。敗れはしたが、見事な投球だった


 そして迎えた延長10回裏、明大が2死から1番・丸山和郁(2年・前橋育英)が2塁打を放つと、「5回の2死3塁のチャンスで打てなかった悔しい気持ちがあった」という2番・添田真海(4年・作新学院)が、坂口の116球目のスライダーを弾き返し、この日自身3安打目。この一打が、苦戦するチームに勝利をもたらすサヨナラ打となった。
 明大の森下は、10回を計145球、6安打無失点での今季初完封。調子自体は良くなく「相手に流れが来ていた」という中でも、「粘り強く投げられた」実に20個の三振を奪って今季3勝目を挙げた。


延長戦の末に、最後は添田の一打で明大がサヨナラ勝ち。坂口(奥)は無念の表情を浮かべる


■東京大vs明治大1回戦
東京大 000 000 000 0=0
明治大 000 000 000 1X=1
【東】●坂口−大音
【明】○森下–西野

◎明治大・善波達也監督
「(東大の)坂口君がコントロール良く、粘りつよく放っていたので、なかなか突破口を開けなかった。添田だけが打った(3安打)。打順の組み方も悪かった僕の責任です。(森下は)今日、ブルペンではボールが走ってなかったが、のらりくらりというピッチングで相手にバットを振らせないようにしていた。球速もあんまり出ていなかったと思いますが、丁寧にというピッチングはできていた。前半、ランナーを背負ったところで粘り強く投げてくれた辺りは成長した中と思います。バッターを鍛え直して、明日頑張ります」

◎明治大・森下暢仁(4年・大分商)
「良い立ち上がりができずにチームにリズムを与えることができなかったですけど、徐々に掴んできて、それが良い結果に繋がった。一つ一つのプレーに東大は盛り上がっていましたし、相手に流れが来ているなというのは感じていた。(20奪三振に)思ったより取りましたね。(今季初完封に)やっとできたという気持ちです。危ない場面もあったので、もっとしっかりと9回を終わらせたいと思います」

◎明治大・添田真海(4年・作新学院)
「(サヨナラ打は)打ったのはスライダー。5回の2死3塁のチャンスで打てなかった悔しい気持ちがあったので、最後に自分にチャンスが回ってきて、結果を残せて良かった。(坂口は)非常にコントロールが良くて低めにボールが集まっていたので、その球を狙った。今日は今日なので、チーム一丸となって明日の試合を戦いたい」

◎東京大・坂口友洋(4年・日比谷)
「ずっと緊張感を持って投げていた。厳しい点数になるのはわかっていた。先発は水曜日に言われた。そろそろ自分に回ってくるかなと思っていた。今日はスライダーが良かった。(試合後の)今の気持ちは、勝ちたかった、それだけです」