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侍ジャパン

【目指せ未来の侍ジャパントップチーム】及川雅貴(侍ジャパンU-15代表/匝瑳リトルシニア)

昨夏に福島県いわき市で行われた第3回 WBSC U-15ベースボールワールドカップ(以下、W杯)で準優勝を果たした侍ジャパンU-15代表。その精鋭たちの中でエースとして世界の強豪に立ち向かっていったのが、左腕・及川雅貴投手(およかわ・まさき/匝瑳リトルシニア)。将来有望な左腕のこれまでや今後の展望を本人や周囲の声も交え紹介する。

★侍ジャパンU-15代表のエース
 身長181cmの恵まれた体格を生かしたキレイなフォームから最速139キロのストレートを投じる。変化球も縦・横・斜めに落ちる3種のスライダーなどを自在に操り、将来が嘱望されている左腕だ。
 昨夏に行われたU-15W杯では1次ラウンドのキューバ戦を7回無失点に抑えると、2次ラウンド初戦のベネズエラ戦も4回3分の1を投げ、ここでも無失点に抑えた。決勝戦のキューバ戦こそ序盤に捕まってしまい、悔し涙を流したが、国際舞台で貴重な経験を積んだ。

侍ジャパンU15代表では、エースとして活躍した


 
 野球を始めたのも、その類稀なセンスから。もともとはサッカーをやりたかったそうだが、キャッチボールをしていると周囲から絶賛の声があふれ、野球を始めることにした。
 小学6年時には千葉ロッテマリーンズジュニアに選出され、12球団ジュニアトーナメントに出場。この頃ジュニアチームのコーチをしていたロッテ・高橋薫スカウトは「まだ身長が小さかったのですが、フォームがキレイで際立っていました」と振り返る。中学入学後は、地元の硬式野球チーム・匝瑳リトルシニアに入団。「強いチームを倒したい」と闘争心をみなぎらせ、今夏はチームをリトルシニア日本選手権に導いた。
 そんな主力選手でも「ものすごく素直で謙虚。練習で手を抜かないし、気も遣えるから皆から好かれています」と所属チームの関係者は人間性も称賛している。

 高校は数多くの誘いの中から「(高卒や大卒問わず)プロを目指していますし、甲子園にも近い」と全国的な強豪・横浜高を選んだ。
 3年間指導してきた越川康弘監督は「3年間怪我の無い丈夫な体を作って欲しい」とエールを送り、及川は「自分がエースとなって優勝して、最終的にはU-18の侍ジャパンに入りたいです。名門のプライドを持って戦っていきたいです」と意欲十分だ。
 高い野球センスに驕ることのないひた向きな姿勢で、中学時代には届かなかった頂点を目指す。

文・写真=高木遊