アスレチックス戦の３回、二飛に倒れるマリナーズのイチロー。投手ファイアーズ＝東京ドーム【写真提供：共同通信社】

　20日に行われたMLB開幕戦で、マリナーズのイチローが「9番・ライト」でスタメン出場。日米通算28年目、昨年5月2日のアスレチックス戦以来322日ぶりの公式戦出場を果たした。

　試合前のフリー打撃ではサク越えを連発し、スタンドのファンから大きな声援を受けたイチローは、スタメン発表で名前を呼ばれた際には、場内がどよめきとも思えるほどの大きな歓声に包まれた。

　最初の打席は、マリナーズが2点ビハインドで迎えた3回に訪れた。無死1塁の場面で、初球の内角低めに外れるボール球を見送った後、2球目の速球に詰まってセカンドフライに倒れた。4回も同じ無死1塁で打席に入ったイチローは、カウント3-1から4球ファールで粘り、低めに外れた球を見送ってフォアボールを選んだ。スタンドのファンはイチローの一挙手一投足に注目し、1球ごとにスタンドから歓声やため息が聞こえていた。

　4回裏に一旦守備についたイチローだが、ベンチからの指示で交代となった。ダグアウトに引き上げる際、数人の選手らと抱擁し、スタンドのファンも拍手で見送った。ベンチ前でイチローと抱擁したサービス監督は「チームのために交代を決意した。彼もそれを理解してくれていた」と説明し、「先発とは限らないが」との条件付きで、第2戦の起用も明言した。

　開幕戦でもヒットは出ず、オープン戦から26打席、バットから快音が消えているヒットメーカーの通算4368本目の安打は明日見られるのか。帰国後の郷愁とともに、目が離せないところだ。