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坂本勇人の背中を追う生粋の野球小僧が甲子園を駆ける!武岡龍世(八戸学院光星3年)【Future Heroes Vol.4】

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 走攻守三拍子揃うプロ注目の遊撃手が、雪辱を期して今春再び夢舞台に挑む。

 徳島県吉野川市で生まれ育った武岡龍世は、小学2年生で軟式野球を始め、小学6年時からヤングリーグ(全日本少年硬式野球連盟)の徳島ホークスに入り小学部全国大会で優勝。カル・リプケン世界少年野球大会の日本代表にも選ばれるなど徳島では名を馳せた存在だった。

 当然多くの誘いがあった中で、坂本勇人(巨人)に憧れを持っていたこともあり、徳島から遠く離れた八戸学院光星への進学を決めた。


武岡龍世(たけおか・りゅうせい)・・・2001年5月28日生まれ。徳島県吉野川市出身。徳島ホークス(硬式)→八戸学院光星3年。遊撃手。178cm79kg。右投左打。


★「守備の完成度は坂本、北條以上」

 初めて八戸に来た際は寒さや雪に驚いたと言うが、冬場でも広々とした室内練習場が使え、1年生から指導者がしっかりと付いて練習する環境で類い稀な才能を伸ばしていった。

 とはいえ当然苦労はあった。入学後にメンバー入りはすぐできたものの、打撃は空振りが多く変化球も当初は苦手だった。中学時代は常に中軸を打ってきたためバントも上手くなく、1年夏はベンチを外れた。秋も東北大会で結果を残せなかったが、その冬で「劇的に変わりましたね」と仲井宗基監督は振り返る。

 津田勇志コーチや1学年上の長南佳洋前主将に連日、全体練習後の個人練習に付き合ってもらいバットの軌道やフォームを修正し、打撃を磨いてきた。
 すると昨夏には青森大会で打率5割12打点の活躍で甲子園出場に大きく貢献し、自身も幼い頃から憧れた聖地に立った。

 だがその夢舞台は「散々でした」と苦笑いで振り返る。
「プロになりたくて強豪校に入ったのに、エラーもしてしまい走攻守でまったくアピールできませんでした。」
 そんな悔しい思いも胸に秋の新チームから主将に就任した。すると、部員全員とのコミュニケーションも大事にしてプレーでもプレー以外でもチームを引っ張り、東北大会を制した。さらに明治神宮大会でもバックスクリーンへ本塁打を放つなど打率4割を残した。
また、守備は仲井監督が「完成度は当時の坂本や北條(阪神)よりも高い」と評するように、落ち着いたグラブさばきや送球、軽やかな足さばきを見せて大きな存在感を示した。

★さらにパワーアップした姿で

 この冬には夏から比べて体重も10kg増えて力強さを増した。チーム状態も仲井監督が「一緒に野球をやっていて楽しいチームで、まとまりもある」と称賛し「僕が守りに入ってこじんまりとしないように。個性豊かな野球をやりますよ」とニヤリと笑うように充実した状態で甲子園に乗り込む。

 野球の面白さを「とても難しいからこそ、突き詰めれば突き詰めるほど上手くなっていくのが楽しい」と純粋な目で語る生粋の野球小僧が多くのファンの目の前でどんな躍動を見せるのか。まもなく訪れるその時が楽しみで仕方ない。

文・写真=高木遊