「時は来た！ドラフト指名を待つ男たち」

山岡 泰輔　やまおか・たいすけ
東京ガス
投手・右投左打・172センチ68キロ・1995年9月22日生（21歳）

　3年前の8月、MLBのテキサス・レンジャーズに所属しているダルビッシュ有が突然Twitterでつぶやいた。「動画見たけど、これは一番だわ」。その男こそが当時、甲子園で明徳義塾（高知）打線に対し、8回9奪三振ときりきり舞いさせていた瀬戸内（広島）のエース。現在は東京ガスで社会人を代表するエースとなった山岡 泰輔だ。
　当時から代名詞となっていたのがキレ味の鋭いスライダー。広島大会決勝で広島新庄・田口麗斗（現・巨人）と演じた延長15回・0対0引き分け再試合は、今でも広島高校野球界の語り草となっている。甲子園は援護に恵まれず初戦敗退に終わったが、侍ジャパンU-18代表として戦った「IBAF 18Uワールドカップ」ではこのスライダーで大会オールスターリリーフ部門に選ばれ、銀メダルに貢献した。

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　その際、桐光学園・松井裕樹（現・東北楽天）のボールを見て「今の自分とはレベルが違う」と感じたことをきっかけに卒業後は社会人の道へ。東京ガスでは1年目から公式戦に登板し、都市対抗では4試合すべてに救援しベスト8。2年目には主戦として先発を任されるようになり、3年目を迎えた今年はチームを引っ張る立場としての自覚も生まれ、体重も入社時の58キロから10キロ増。その成果は4月のJABA四国大会における自己最速152キロなど、ストレートの球速・威力UPで表れている。都市対抗では1回戦でNTT西日本を3安打完封。その後もストレート、スライダーに加え、カーブ、カットボール、シンカー、チェンジアップといった変化球も駆使し、相手打者に的を絞らせないナイスピッチングを見せてチームをベスト4に押し上げた。
　この間、2014年には侍ジャパンU-21代表として「IBAF第1回U21W杯」に参加し準優勝。近藤健介（北海道日本ハム）、鈴木誠也（広島）、北條史也（阪神）など現在のNPBを担う若手選手たちともプレーし、プロのエキスも十二分に知る山岡。ドラフト上位指名が有力視される小さな右腕にはNPBでの即戦力はもちろんのこと、2010年東京五輪における主力投手としての活躍も期待される。

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