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環太平洋大が初の決勝へ!仲間の思いを背負った主将・岡田拓己が決勝打【明治神宮大会 準決勝 環太平洋大-近畿大】

11月13日、第49回明治神宮大会・大学の部の準決勝が行われ、環太平洋大が近畿大を8回コールドで破って初の決勝進出を決めた。

 試合序盤は近畿大・小寺兼功(4年・岡山理科大附)と西山雅貴(3年・岡山理科大附)による高校の先輩後輩による投手戦。その均衡を破ったのが環太平洋大の主将で1番の岡田拓己(4年・岡山東商)だった。「後輩が作ってくれたチャンスですし、西山が抑えた後だったので借りを返してやろうと思ってバットを振りました」と1死二、三塁から初球のスライダーを上手くライト線に運び、先制の2点タイムリー二塁打を放つ。岡田の先制打を皮切りに環太平洋大は着々と得点を積み重ね、近畿大を最後まで寄せ付けなかった。

仲間や地元の思いを背負ってチームを牽引する岡田


 今大会でベンチ入りしている4年生は岡田と志賀巧朗(文徳)、熊倉巽(浦和学院)の3名しかいない。公務員試験や教員採用試験に備えて多くの選手が3年秋のシーズン終了後に現役を引退するためだ。残った4年生たちは「学生野球を最後まで長くやろう」と話をしたという。現役を離れた部員の分まで戦い続けてきた結果、その目標を見事に成し遂げることができた。

 また、環太平洋大のある岡山県は7月の豪雨で大きな被害を受けた。野球部には直接的な被害がなかったが、部員の友人の家が流されることもあったという。野球部で復興ボランティアをする中で「こういう中で野球ができる喜びを噛みしめながらやっています」と岡田は改めて野球ができる喜びを実感することができた。

 岡山県の大学としては初の決勝進出となる。「全員でチーム一丸となって戦っていこうと思います」と決勝への意気込みを語った岡田。戦国・東都を制した立正大が相手だが、地元や仲間の思いを背負って悲願の日本一を獲りに行く。

◎近畿大・田中秀昌監督
「相手の投手に完全に抑えられてしまって、ヒットは打っているけど全く繋がらない。警戒していた1番(岡田)と3番(安藤優汰/1年・米子北)にものの見事に打たれたので完敗です。下級生はいい経験させてもらったので、来春にここに戻ってこられるようにしたいです」

★第49回明治神宮野球大会準決勝
近畿大   00000000=0
環太平洋大 00302011x=7
(8回コールド)
【近】●小寺、伊波、村西、坂口、林山、鷲崎-井町
【環】○西山、大石、仲尾-志賀

文・写真=馬場遼