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全85選手中14選手…育成契約でプロ入りも、第1次で戦力外となった選手は?


育成契約から夢を掴んだ選手がいる一方で、今オフに戦力外となった選手もいる。第1次通告期間では合計85選手が非情通告を受けたが、その中で育成契約からプロ入りした選手は14選手いる。

■育成ドラフトでプロ入り後、1軍で596試合出場や1球勝利を挙げた選手も…

 プロ野球は今月7日に2016年の第1次戦力外通告期間が終了。現在、日本ハムの3勝2敗となっているパ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが終了すれば、その翌日から日本シリーズ終了の翌日まで第2次戦力外通告期間に入る。そして、11月12日には甲子園球場で12球団合同トライアウトが行われる。

 近年は、育成ドラフトからプロ野球の世界に入り、各球団の主力まで駆け上がる選手も多い。巨人の山口鉄也投手は2005年の育成ドラフト1位で指名を受けて入団し、07年4月に支配下契約に。巨人のブルペンに欠かせない存在となり、08年から9年連続60試合登板を記録。14年には史上初の通算200ホールドに到達している。

 岡田幸文外野手は08年の育成ドラフト6位でロッテに入団。09年3月に支配下登録され、主力へと成長した。西野勇士投手も08年の育成ドラフト5位でロッテに入団。12年に支配下登録され、現在は守護神を務める。また、ソフトバンクの千賀滉大投手は10年の育成ドラフト4位で指名され、支配下登録6年目となった今季は先発ローテーションの軸として12勝(3敗)を挙げた。

 育成契約から夢を掴んだ選手がいる一方で、今オフに戦力外となった選手もいる。第1次通告期間では合計85選手が非情通告を受けたが、その中で育成契約からプロ入りした選手は14選手いる。

 DeNAの内村賢介内野手は07年の育成ドラフト1位でBCリーグ石川から楽天に入団。1年目の7月に支配下登録されると、身長163センチで「球界最小選手」として話題に。圧倒的なスピードと高い守備力は当時の野村克也監督から高く評価された。マーティ・ブラウン監督が指揮を取った10年は111試合出場で打率.304、続く11年には123試合で打率.271をマーク。シーズン途中にDeNAにトレードとなった12年も2球団で計132試合に出場したが、移籍後は徐々に出場機会を減らし、今季は1軍に昇格することはなかった。

■支配下登録になることができず、戦力外になる選手も…

 同じDeNAからは萬谷康平投手も戦力外に。13年の育成ドラフト2位でミキハウスREDSからDeNAに入団。1年目の4月に支配下登録となり、26試合に登板。プロ初勝利も挙げたが、翌15年は4試合の登板に終わり、今季も1軍のマウンドに挙がることはなかった。

 巨人からはウーゴ投手が戦力外となった。11年の育成ドラフト2位で白鴎大からヤクルトに入団。7月に支配下登録となり、1軍デビューも果たしたが、13年にトミー・ジョン手術を受けるなど4年間で計2試合の登板にとどまり、昨年オフに戦力外に。トライアウトを経て巨人と育成契約を結び、3月には支配下登録を勝ち取ったが、今季1軍登板はなかった。

 また、土田瑞起投手は11年の育成ドラフト2位でアイランドリーグ愛媛から巨人に入団。14年4月に支配下登録されると、6月15日の楽天戦では1球でプロ初勝利を挙げた。14年は12試合、15年は11試合、今季は7試合と徐々に登板数を減らし、自由契約となった。

 その他の10選手は、1度も支配下登録になることができず、戦力外に。巨人の土田、成瀬功亮投手、青山誠外野手は自由契約として発表されており、再契約の可能性も残されている。

 第1次で戦力外となった育成ドラフト入団選手は以下の通り。

■育成ドラフトでプロ入りし、第1次で戦力外となった選手の成績は…

◯内村賢介内野手(2007年、楽天育成1位)
山梨学院大付高 – JFE西日本 – BCリーグ・石川 – 楽天育成 – 楽天支配下 – トレード – DeNA、通算9年
596試合、340安打、打率.246、1本塁打、97打点、100盗塁

◯萬谷康平投手(2013年、DeNA育成2位)
阪南大高 – 阪南大 – シティライト岡山 – ミキハウスREDS – DeNA、通算3年
30登板、2勝1敗、4ホールド、0セーブ、防御率3.21

◯ウーゴ投手(2011年、ヤクルト育成2位)
佐野日大高 – 白鴎大 – ヤクルト育成 – ヤクルト支配下 – 戦力外 – 巨人育成 – 巨人支配下、通算5年
2登板、0勝0敗、0ホールド、0セーブ、防御率27.00(※戦績は全てヤクルト時代)

◯土田瑞起投手(自由契約、2011年、巨人育成2位)
長崎・鎮西学院高 – 四国九州IL・長崎 – 四国IL・愛媛 – 巨人、通算5年
30登板、2勝0敗、0ホールド、1セーブ、防御率6.89

◯田原啓吾投手(2012年、巨人育成1位)
横浜高 – 巨人育成、通算4年
支配下登録なし

◯高橋慎之介投手(2014年、巨人育成4位)
木更津総合高 – 巨人育成、通算2年
支配下登録なし

◯芳川庸捕手(2011年、巨人育成4位)
洛北高 – 巨人育成、通算5年
支配下登録なし

◯小林大誠捕手(2015年、巨人育成2位)
八戸学院野辺地西高 – 青森中央学院大 – BCリーグ・富山 – BCリーグ・武蔵 – 巨人育成、通算1年
支配下登録なし

◯長江翔太外野手(2013年、巨人育成2位)
金光大阪高 – 大阪経済大 – 巨人育成、通算3年
支配下登録なし

◯北之園隆生外野手(2013年、巨人育成3位)
秀岳館高 – 巨人育成、通算3年
支配下登録なし

◯成瀬功亮投手(自由契約、2010年、巨人育成6位)
旭川実 – 巨人育成、通算6年
支配下登録なし

◯青山誠外野手(自由契約、2013年、巨人育成1位)
育英高 – 日本大 – 巨人育成、通算3年
支配下登録なし

◯河野大樹内野手(2014年、ソフトバンク育成7位)
上宮太子高 – 三重中京大 – NOMOベースボールクラブ – ソフトバンク育成、通算2年
支配下登録なし

◯大坂谷啓生内野手(2014年、楽天育成2位)
弘前学院聖愛高 – 青森中央学院大 – 楽天育成、通算2年
支配下登録なし

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