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先発、代打、野手、野手、休み…MLB監督が描く大谷翔平の二刀流具体案は


大谷が決断を下した場合、メジャーで二刀流を続けることは可能なのか。そして、DH制のあるア・リーグとDH制のないナ・リーグでは、どちらが適しているのか。セントルイスの地元紙「セントルイス・ポストディスパッチ」の記者によると、ワールドシリーズ制覇11度を誇る名門カージナルスは、大谷の獲得を目指して、すでに具体的な起用法を考え始めているという。

■大谷がDH制なしで二刀流をするなら…カージナルス監督は想定?

 今季終了後にもポスティングシステム(入札制度)でメジャー挑戦に踏み切る可能性が浮上している日本ハムの大谷翔平投手。当初、米国では投手としての評価が高かったが、昨季、打率.322、104安打、22本塁打、67打点、OPS(出塁率+長打率)1.004という好成績を収めたことで、打者としての評価も上昇。投手とDHでベストナインをダブル受賞し、リーグMVPにも輝いた二刀流について、メジャー球団の見方も確実に変わってきている。

 大谷が決断を下した場合、メジャーで二刀流を続けることは可能なのか。そして、DH制のあるア・リーグとDH制のないナ・リーグでは、どちらが適しているのか。セントルイスの地元紙「セントルイス・ポストディスパッチ」の記者によると、ワールドシリーズ制覇11度を誇る名門カージナルスは、大谷の獲得を目指して、すでに具体的な起用法を考え始めているという。

 同紙は公式サイト上で、読者の質問に記者が応えるチャット形式のイベントを行った。そこで、読者から大谷について「MLBでも二刀流として出場する可能性はあるのでしょうか?」との質問が出ている。

 大谷は現在、DH制のある日本ハムで二刀流をこなしている。栗山英樹監督の絶妙な起用法で両立が可能となっているが、昨季まで、野手としての出場はDHが基本。2015年以降、外野手としての出場はない。

 ただ、カージナルスはナ・リーグ中地区のチームとあって、読者は「(二刀流は)ア・リーグでしか実現できないのでしょうか。彼がもしアンドリュー・ミラー以上のリリーフ投手兼DHになったら、二刀流としての起用法はどう変わるのでしょうか。つまり、アロルディス・チャプマンが打率.300超え、20本塁打を記録したらどうなるのかということです」と疑問をぶつけている。

■大谷の興味は「ア・リーグに球団に向かっている」?

 これに対して、同紙のデリック・グールド記者は「正直言って、フロントは頭を悩ませています。二刀流選手にどうアプローチしていくのか、GMたちのコメントを見たり聞いたりしました」と回答。カージナルスは大谷の獲得を真剣に検討している模様で、入団交渉が実現した場合、どのように説得するべきか、すでに悩んでいるというのだ。そして、マイク・マシーニー監督は構想を膨らませているという。その内容は、先発登板の試合に打席に立ち、その他は代打で待機するという限定的な起用法ではないようだ。

「マイク・マシーニーは、大谷を1日目に先発のマウンドに上げ、次の日は代打出場、3、4日目は外野手として起用し、休みを与え、それから先発させても良いと考えています」

 この流れであれば、大谷は二刀流を貫いてもメジャーの通常の登板間隔である中4日で起用されることになる。ただ、あくまでDH制のあるア・リーグ球団の方が獲得に向けて有利になるとも、同記者は指摘している。

「ミラーのようなリリーフ投手? 彼自身や、彼の多様性に関する関心はアメリカン・リーグに限ったことではないと思います。恐らく、彼の興味はア・リーグ球団に向かっているでしょう。DHの機会があるからです。球団もあなた(読者)と同様の答えを模索しているでしょう」

 回答の最後は、このように締めている。メジャーにおいても、DH制がある方が、本格的な二刀流は実現しやすいのだろうか。大谷の圧倒的な才能が、現代野球の常識を覆し始めていることは確かだ。

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