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DeNAドラフト2位・伊藤裕季也が平常心で決勝2ラン!立正大が九共大下し4強【明治神宮大会
2回戦 立正大 - 九州共立大】

 千両役者のひと振りで立正大が九州共立大を2対0で下して初戦を突破。初出場初優勝した2009年大会に続く準決勝進出を決めた。

 両者無得点の投手戦で迎えた7回に試合は動いた。ここまで2安打と好投してきた九州共立大の島内颯太郎投手(4年・光陵/広島ドラフト2位指名)だったが「厳しく攻めすぎました」と、先頭の小郷裕哉外野手(4年・関西/楽天7位指名)を四球で歩かせてしまう。
ここで打席には4番の伊藤裕季也(4年・日大三/DeNAドラフト2位指名)。願ってもないチャンスではあったが、伊藤は「打って当たり前というくらい堂々としよう」と心がけており、初球はバントの構えを見せて島内を揺さぶる。
さらに3球目、顔面付近に投球が来て伊藤は仰け反るが、一塁走者の小郷がスタートを切っており盗塁に成功。さらに捕手の悪送球もあり一気に三塁まで進んだ。


今日は1安打のみだったが、俊足で勝利に貢献した小郷


チャンスが拡大してもなお、伊藤は冷静だった。
「フォークの抜け球だったので、(意図的に)仰け反らせる球ではないと分かった。かわしてくるだろう」と頭の中を整理。そして4球目の真ん中低めに落ちる130キロのフォークをとらえると打球はレフトスタンドへ一直線。打った瞬間に本塁打と分かる決勝2ランとなった。

ドラフト終了後に周囲は大きな盛り上がりを見せたが、伊藤自身は「普段やってきたことを高く評価していただいたので」と、これまでと変わらぬ取り組みを続けてきた。また、主将として「一発勝負なので、練習からプレッシャーをかけ合いながらやってきました」と明治神宮大会に向け、先頭に立ってチームを引っ張ってきた。
 平常心を忘れぬ大黒柱の存在が2度目の頂点を狙う立正大の大きな原動力となっている。


「頭を使って打つ」と話す伊藤。東都大学野球優勝決定戦に続く決勝本塁打となった


◎九州共立大・島内颯太郎投手
「あの1球でチームが負けることになって申し訳ないです。前の打席のレフト前安打のイメージがあり逃げに入ってしまい悔しいです。(入学当初は)ドラフトに指名されるなんて思いもしなかった。恩返しのためにも優勝したかったです」


「今まで打たれたことない本塁打」と振り返る島内。プロの舞台での雪辱を誓っていた


★第49回明治神宮野球大会2回戦
九州共立大 000000000=0
立正大 00000010X=2
【九】●島内、久保−城間
【関】○糸川、釘宮–木下
本塁打:立正大・伊藤(7回2ラン)

文・写真=高木遊