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“小さな大エース”武次春哉が流れ呼び込み関西国際大が中部学院大にコールド勝ち【明治神宮大会 1回戦 関西国際大 - 中部学院大】

 第49回明治神宮野球大会の大学の部開幕戦は、降りしきる雨の中で関西国際大のエース左腕・武次春哉投手(2年・西脇工)が淡々とアウトを積み重ねていった。先頭打者から141キロのストレートで三振を奪って幸先の良いスタートを切ると、2回に死球と味方の失策、犠牲フライで1点こそ失ったが、以降は無失点に抑えて7回を3安打に抑えた。

 打線も武次のリズム良い投球に呼応するように、尾崎亨四郎内野手(4年・三島)の満塁本塁打などで6回までに7点を奪うと、最後は7回に深尾哲平捕手(2年・福知山成美)がソロ本塁打を放ち8対1で7回コールド勝ち。関西国際大が大勝で初戦を飾り準々決勝進出を決めた。

「ベンチで盛り立ててくれている先輩の思いも背負って投げたい」と大会前に語っていた武次が期待通りの好投を見せた


 チームの大黒柱である武次は小柄な身長164cmだが「ほとんど自分より大きな打者なので、気持ちでは負けないようにしています」と話すように、派手なアクションは一切ないが強気の投球が持ち味。今春・秋のリーグ戦で計14勝を挙げており鈴木英之監督は「走者を出してからが強く、三振を奪う力も優れている」と絶大な信頼を置いている。

 この日は雨の影響もあり武次自身は「環境に対応できていなかった」と、得意球のカットボールを含めて本調子ではなかったと笑顔なく振り返り、「それでも抑えられたことは今後の引き出しになると思います。次は今日よりもコンディションを整えて臨みたいです」と、マウンドさばき同様に淡々と答えた。
 前日に発表された侍ジャパン大学代表候補強化合宿(12月1日から松山)にも選ばれた小さな大エースの今後の投球に注目だ。

◎中部学院大・原克隆監督
「天候のせいにはしたくありませんが、これだけ四球が出てしまうと苦しかったです。武次くんは左打者にストレートを意識させてから外で勝負したり、右打者には外のボールがナチュラルに逃げていくような球筋で上手く攻略できませんでした」

★第49回明治神宮野球大会1回戦
中部学院大 0100000=1
関西国際大 2104001x=8
(7回コールド)
【中】●若山、櫻糀、井上、秋田、大中−高坏
【関】○武次–深尾
本塁打:関西国際大・尾崎(4回・満塁)、深尾(7回ソロ)

文・写真=高木遊