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データでひも解く日ハム大谷 数字で見ても凄い“リーグNO1”の球種とは?


今や球界を代表する投手となった日本ハム・大谷翔平。165キロという日本球界最速の剛腕を誇り、スタジアムを沸かせてきたが、そのストレートはデータから見てもやはり、図抜けているようだ。

■「バットに当てられる」速球の印象は間違い? 空振り率は他の先発陣を圧倒

 今や球界を代表する投手となった日本ハム・大谷翔平。165キロという日本球界最速の剛腕を誇り、スタジアムを沸かせてきたが、そのストレートはデータから見てもやはり、図抜けているようだ。

「パ・リーグTV」では、昨シーズンのパ・リーグで規定投球回到達者と大谷の球種別データを比較。規定投球回に3イニングだけ届かなかった大谷だが、ストレートの空振り率はNO1となっている。

 総投球数2229球の大谷はストレートを1211球投げ、そのうち空振りを奪ったのは136球。空振り率は11.2%にあたる。規定投球回到達者でトップのソフトバンク・和田(10.7%)に0.5%差、続く西武・菊池(7.7%)らには3.5%以上の大差がついている。

 もともと大谷は14年の球宴で当時自己最速の162キロを阪神・鳥谷にファウルにされ、今年9月に初めて出した164キロをオリックス・糸井にタイムリーヒットにされた。最速更新の節目でこうした場面があり、「速いストレートを投げても、バットに当てられる」というイメージもあった。

 だが、数字を見れば、いかに大谷のストレートをバットに当てるのが難しいかが証明された形だ。

■昨季は規定投球回に達しなくても、リーグ3位の174奪三振

 他の球種に目を移すと、スプリット(フォーク)は409球で空振り113球(27.6%)と高い数値をマーク。剛速球と落差の大きい縦の変化のコンビネーションで打者を翻弄していることが分かる。さらに、スライダーは504球で空振り93球(18.5%)、カーブは105球で空振り11球(10.5%)と続いている。

 他の持ち球と比較するとストレートの空振り率は低いため、「バットに当てられる」という印象があるのかもしれないが、それでもデータを見ればリーグ1位。大谷がいかにレベルの高いパフォーマンスを続けているかが分かるだろう。

 大谷は昨季、投手としては離脱期間があり、規定投球回に達しなかったにも関わらず、リーグ3位の174奪三振と高い奪三振数を誇っている。変化球は投球の軸となるストレートが圧倒的であれば、より一層の効果を発揮する。それを考え合わせてみても、三振を奪う際の絶対的な柱となっているのは、持ち前のストレートのようだ。

 将来的には人類最速の170キロ到達にも意欲を見せている二刀流。代名詞ともなった剛速球は、球速の伸びとともに「当たらないストレート」として進化していくだろう。果たして、今季も自己最速を更新してくれるか、今から楽しみでならない。

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