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ドラ10入団から15年―楽天・後藤光尊が引退会見「積み重ねた努力は誇り」


今オフに楽天から戦力外通告を受け、現役引退した後藤光尊氏が10日、Koboパーク宮城で引退会見を行った。

■小柄な体で戦った通算1361試合、トライアウト受験も決断

 今オフに楽天から戦力外通告を受け、現役引退した後藤光尊氏が10日、Koboパーク宮城で引退会見を行った。

「15年間、様々な人に支えられ、長いことやることができた。感謝の気持ちでいっぱいです」

 2001年のドラフト会議でオリックスから10位指名され、川崎製鉄千葉からプロ入り。主力として活躍した後、13年オフに鉄平とのトレードで楽天に移籍した。昨年10月に戦力外通告を受け、同11月のトライアウトに参加したが、獲得球団はなく、ユニホームを脱ぐ決断を下した。

「なんとか現役続行の道を模索したが、そこまでに至らなかったので寂しい気持ち」と率直な思いを話した。

 ドラフト10位からスタートした15年間の現役生活。「入団当時、自分の中で順位は関係ない、入ってからが勝負だと思っていたので、それなりにはできたのかなと思う」と胸を張った。

 通算1361試合に出場し、打率.269、476打点。175センチ、75キロと小柄な体格ながらパンチ力のある打撃を見せた。

■第二の人生は球団のジュニアコーチで指導「楽しみしかない」

「悔しいことの方が多かった」と振り返り、「プロ野球選手になってから優勝や日本一に全く縁がなかった。そういう経験をしてみたかったという思いは強い」と胸中を明かした。それでも、「1本でも多くヒットを打ちたいという気持ちの積み重ねで15年間やってきた。数字から見れば大したことがないが、1本のヒットを打つために積み重ねてきた努力は誇りに思う」と話した。

 今後は、球団のベースボールスクールのジュニアコーチとして子どもたちに指導する。「息子が野球を始め、その少年野球チームでデモンストレーションのようなことを2、3度やった。言葉で伝える難しさがあるので、子どもたちが理解できる言葉で教えていきたい」と話す。15年間の現役生活を「基本の積み重ね」という言葉で表した後藤氏。スクール生にも基本の大切さを説き、指導していくつもりだ。

「楽しみしかない。1人でも多く野球の楽しさを知ってもらい、その上を目指していくような子どもたちを育てていけるように頑張りたい」

 グラウンドを沸かせた38歳は、指導者として第二の人生をスタートさせた。

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

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