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高校野球

父から遺伝子継承 キレを追求する信州の快腕 直江大輔(松商学園)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

直江大輔(なおえ・だいすけ)松商学園
183セン73キロ
投手 右投右打
2000年6月20日生まれ
【写真提供=共同通信社】


 周囲は進学を進める意見もあったそうだが、本人の意思を尊重して、プロ志望届を提出した。

 1年で背番号「11」をもらいベンチ入り。2年生だった去年の夏、信州の名門・松商学園9年ぶりとなる復活甲子園出場に貢献した。チームも17年ぶりとなる勝利を飾っている。
 そして2回戦、盛岡大付戦にリリー登板。2回3分の2イニングを投げて被安打2、2四死球2失点。ここで敗退となった。
 今夏は甲子園に行くことができなかった。長野大会準々決勝、岡谷南の前に夢は破れた。4回から3番手としてリリーフするが自身も失点して突き放された。それでも大会中に11球団のスカウトが集まる試合もあって、注目された快腕だ。
父・晃さんも檜舞台に1985年夏、86年春夏と3回出場した松商学園のエースだった。2勝を挙げている。85年秋の明治神宮大会には優勝もしている。お父さんのちょっと上の世代、憧れたという荒木大輔日本ハム二軍監督から息子の名前をとったのだという。
 長野市生まれで中学では中野シニア所属。高校から寮生活に。
体型はまだ、細身。胸を大きく張り、テークバックからが速く、腕の振りが鋭い。スナップが利いているし、肩回りの柔らかさが感じられる。父親とフォームがそっくりなのだそうだ。
回転数の多いストレート習得を目指しているという。球速表示以上のキレがれば三振が取れる。それは2年で出た甲子園での体験からだ。盛岡大付戦でのリリーフ。当時、自己最速の142キロが出たが、簡単に打ち返された。質のいいストレートとは何か。2年秋からずっと試行錯誤してきたことだ。
ストレートと同じ軌道から横に流れるスライダー、チェンジアップのコンビネーションが上手い。2年秋の準々決勝で1試合で16奪三振も記録した。
マウンドの立ち姿が投手らしさを漂わす、と関係者から聞いたことがある。ピッチャーとして必然に与えられた才能とでも言おうか。背筋がスッと伸びて、プレートを踏むしぐさがきれいで牽制、フィールディングも無駄がない。品は父からのDNAを受け継いでいる。
U18侍ジャパンの1次候補に挙がっていたが、最終的には残れなかった。甲子園での結果がなかったからだろう。プロのステージではスピンという品のプラスされたストレートが見たい。