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最下位脱出、オコエ成長、創設メンバー引退…楽天の2016年10大ニュース


梨田昌孝新監督が就任した楽天は今季、序盤で首位に立ち注目を浴びたが、その後は失速。それでも3年ぶりに最下位を脱出し、5位でシーズンを終えた。エースの則本昂大投手は苦しみながらもタイトルを獲り、ドラフト1位のオコエ瑠偉外野手はポテンシャルの高さを見せつけた。また、外国人選手の活躍も目立ち、来季は打線の軸がしっかりとできそうだ。そんな楽天の10大ニュースをピックアップし、今季を回顧する。

■梨田監督は就任1年目で序盤好調も…、則本は3年連続奪三振王に

 梨田昌孝新監督が就任した楽天は今季、序盤で首位に立ち注目を浴びたが、その後は失速。それでも3年ぶりに最下位を脱出し、5位でシーズンを終えた。エースの則本昂大投手は苦しみながらもタイトルを獲り、ドラフト1位のオコエ瑠偉外野手はポテンシャルの高さを見せつけた。また、外国人選手の活躍も目立ち、来季は打線の軸がしっかりとできそうだ。そんな楽天の10大ニュースをピックアップし、今季を回顧する。

◯梨田政権で最下位脱出

 2014、15年と2年連続で最下位だった楽天は、近鉄と日本ハムでリーグ優勝に導いた経験がある梨田昌孝新監督を迎えた。オープン戦では引き分けを挟んで7試合連続負けなしなど、好調でシーズンに入ったが、4月中旬に6連敗、5月に9連敗で失速。それでも、交流戦は11勝7敗で4位。後半は釜田、安楽など若手投手も台頭を見せ、来季への期待を持たせた。16年シーズンは62勝78敗3引き分けで3年連続最下位は免れ、5位だった。なお、梨田監督は9月6日の西武戦で監督通算700勝を達成した。

◯則本が3年連続奪三振王

 自己最多となる216個の三振を奪い、3年連続で最多奪三振のタイトルを獲得した。キャンプ初日にルーキーイヤーから4年連続となる開幕投手に決定。5月18日のオリックス戦では自己ワーストの4回10失点を喫するなどしたが、前半戦で9勝を挙げた。ところが、後半戦は7試合連続で勝ち星を挙げられず、2勝7敗と苦しんだ。奪三振王に輝いたものの、今季は28試合に先発し、11勝11敗。来季は最多勝を目指す。

◯新人・茂木がショートのレギュラーとして活躍

 ドラフト3位で入団した茂木は、3月25日の開幕戦に「6番・ショート」で先発出場。ルーキー野手としては、球団史上初の開幕スタメンだった。この日は無安打だったが、翌26日に中越三塁打を放って初ヒットをマーク。5月11日の西武戦で初本塁打を放った。6月下旬に負傷して登録抹消されたが、8月に復帰。9月12日のオリックス戦では1試合2本塁打、8月25日にはランニング本塁打など、印象深い打撃を見せた。大学時代はサードを守っていた茂木が、ショートのレギュラーとして躍動。今季は117試合に出場し、パ・リーグの新人で唯一、規定打席にも到達。新人王候補にもなった。

■松井裕は序盤苦戦も30セーブ

◯激動の1年でオコエが成長

 昨年のドラフトで地元・仙台育英の平沢を外した楽天が1位指名。入団会見で球団歌を歌ったり、私服で入寮したりと話題を振りまいた。春季キャンプでは、高卒の新人野手としては球団史上初となる1軍スタートとなり、いきなり池山打撃コーチから熱血指導を受けた。その成果もあってか、オープン戦で結果を出し、開幕も高卒新人野手として球団史上初、今年の高卒新人で唯一の1軍入りを果たした。開幕2戦目でプロ初盗塁は決めたが、初安打を放ったのは一度2軍落ちを経験した後の5月31日。6月にはプロ初本塁打も放った。今季は1軍で51試合、2軍で54試合に出場。何事も勉強で成長を遂げたルーキーイヤーだった。

◯最後の楽天創設メンバーが引退

 04年オフの選手分配ドラフトで楽天入りした牧田が、シーズン終了後に戦力外通告を受け、現役引退を決断。今季は16試合の出場にとどまっていた。昨季、小山伸一郎が引退したため、楽天の球団創設から所属する最後の現役選手だった。また、球団創設時から東北ゴールデンエンジェルスに所属していたAKIさんも今季限りで卒業することになった。

◯宮城以外の東北主催試合で久々の白星

 6月7日に福島県郡山市の開成山球場で行われたヤクルト戦。2回に聖沢の二塁打で先制すると、オコエも2点三塁打で続き、主導権を握った。投げては先発・則本が4回に自己最速の156キロをマークするなど、8回を6安打8奪三振1失点と好投。5-1で勝利した。13年8月20日に山形で日本ハムに5-9で敗れて以来、宮城県以外の地方主催試合で11連敗をしており、約3年ぶりの東北主催試合白星となった。なお、追加点を挙げたルーキー・オコエが初のお立ち台に立った試合でもあった。来季は青森県弘前市でも試合が行われる。青森でのプロ野球1軍公式戦開催は29年ぶりだ。

◯松井裕が2年連続30セーブ

 14年のルーキーイヤーは先発で4勝8敗。2年目の昨年からクローザーとなり、33セーブをマークすると、今年は30セーブを挙げた。8月に11試合で9セーブ、2ホールド、防御率0.69で初の月間MVPを獲得。それでも、昨年は防御率0.87だったのに対し、今年は5月に3敗を喫するなど、シーズン序盤で失点が重なって防御率3.32。来季も抑えとして起用される予定で、今季の反省を生かしたい。

■東北出身の2人がシーズン後に加入

◯福山が球団史上最多の69試合に登板

 中継ぎの柱に成長した福山が球団史上最多となる69試合に登板した。12年にDeNAを戦力外となり、トライアウトを受けて楽天に入団。日本一になった13年は22試合に登板。14年は65試合で23ホールドを記録した。15年も65試合で22ホールド。今年はリーグトップの69試合でマウンドに上がった。3年連続で65試合以上に登板とフル回転している。

◯過去最多の観客動員数

 今季の主催試合において、観客動員数が過去最高を上回る162万961人に達した。初年度の05年は68試合で97万7104人。球団創設3年目の07年に110万人を超えると、09年には120万人以上を動員。その後、3年間は110万人台だったが、日本一となった13年に再び120万人超えを達成。14年に140万人、15年に150万人以上と観客動員数を伸ばしていた。そして今季、これまで最多だった15年の152万4149人を大きく上回った。今年は5月に観覧車が、8月にはメリーゴーランドが設置され、これらがあるレフトスタンド後方の「スマイルグリコパーク」には気仙沼市発祥のカフェ「アンカーコーヒー」もある。こうした「ボールパーク化」も観客動員数増加につながっている。

◯東北出身者が加入

 山形出身の栗原が入団テストを経て入団。結局、1軍出場なく現役を引退し、来季は2軍打撃コーチとして若手を指導する。今オフは、名取北高、東北学院大を経て西武入りし、プロ10年で103勝を挙げた岸がFA宣言し、地元に帰ってくる決断を下した。さらに、ゴールデングラブ賞を2度、獲得している青森出身の細川もソフトバンクを退団して加入。東北出身者の活躍でチームを盛り上げたい。

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