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松坂炎上、城所覚醒、11.5差逆転V逸…ソフトバンクの2016年10大ニュース


日本ハムが日本一に輝いた2016年のプロ野球界。日本ハムの強さが際立った一方で、3年連続の日本一を狙ったソフトバンクは宿敵に大逆転を食らい、栄冠を逃した。シーズン中盤までパ・リーグを独走しながら、悔しさの残る結果となった今季のソフトバンクの10大ニュースをピックアップし、今季を回顧する。

■城所は交流戦で「13年目の覚醒」も…柳田は終盤に骨折

 日本ハムが日本一に輝いた2016年のプロ野球界。日本ハムの強さが際立った一方で、3年連続の日本一を狙ったソフトバンクは宿敵に大逆転を食らい、栄冠を逃した。シーズン中盤までパ・リーグを独走しながら、悔しさの残る結果となった今季のソフトバンクの10大ニュースをピックアップし、今季を回顧する。

○摂津が5年連続開幕投手

 2016年開幕戦となった3月25日の楽天戦(コボスタ宮城)。栄えあるマウンドを託されたのは、摂津だった。球団史上初となる5年連続の大役だったが、結果は3回6失点でKO。5度目の開幕投手で初めて負け投手に。その後も摂津は状態が上がらず、4月上旬には登録を抹消。約4ヶ月のファーム暮らしがあり、わずか2勝。連続2ケタ勝利も5年でストップした。

○熊本地震で試合が中止に

 4月14、16日に熊本を中心とした大地震が相次いで発生。この影響で、16日に予定されていたヤフオクドームでの楽天戦は、観客の安全などを考慮して中止となった。ソフトバンクはすぐさま復興支援活動をスタート。選手が試合前に募金活動を行うなどの活動を行い、被災地訪問なども実施。現在も復興の道は半ばで、ソフトバンクのみならず、球界全体、さらには国全体で復興を後押ししていきたい。

○吉村が代打同点弾、サヨナラ弾の離れ業

 ファンが度肝を抜かれる衝撃的な結末だったのが、4月17日の楽天戦(ヤフオクD)ではないだろうか。3点差で迎えた9回2死一、二塁で代打で登場した吉村が、3ランを放って同点に。延長にもつれ込むと、延長12回無死一塁で再び吉村が打席に。ここでも左中間にサヨナラ2ランを放り込み、1人で試合をひっくり返した。2打数2安打2本塁打5打点。この試合まで、打率0割。今季放った初安打、2本目の安打がともに本塁打だった。前日は熊本地震の影響で試合が中止に。被災者に勇気を与える一振りだった。

○交流戦2年連続の最高勝率、城所がMVP

 13勝4敗1分けという圧倒的な強さを見せ、2015年に続き、2年連続で最高勝率チームに輝いた。この交流戦で驚きの活躍を見せたのが、城所龍磨。2015年まで通算1本塁打だった男が、2打席連発や満塁弾を放つなど、交流戦だけで5本塁打。打率4割1分5厘をマークし、文句なしのMVPを獲得した。

○柳田、右手薬指骨折でペナント終盤に離脱

 優勝争いが佳境に入っていた9月1日の西武戦(西武プリンス)。チームの大黒柱である柳田悠岐が守備で打球を右手に当て、骨折。その後のペナントレースの残り試合を全て欠場する事態となった。核を欠いたチームは勢いに乗れず、日本ハムの後塵を拝すことに。改めて柳田の存在の大きさを痛感させられた。

■「怪物」は日本復帰後初登板で大炎上、ベストナインはまさかのゼロ

○日本球界復帰の和田が最多勝&最高勝率

 5年ぶりに日本球界に復帰した和田毅が大車輪の活躍を見せた。シーズン序盤から勝ち星を積み重ね、15勝5敗、勝率7割5分で2つのタイトルを獲得した。圧巻だったのが、7、8月の日本ハムとの直接対決。3度先発して全勝と、ここ一番での勝負強さはさすがだった。ただ、シーズン最終盤で左肘痛を発症。最後の最後で離脱し、クライマックスシリーズにも登板できなかった。

○11.5ゲーム差をひっくり返されてV逸

 一時は日本ハムに11.5ゲーム差をつけて、首位を独走していた。だが、日本ハムが驚異の15連勝をマークするなど猛追してくると、ソフトバンクは夏場に急失速。柳田、和田とチームの中核の離脱も重なり、大逆転を許した。9月28日のロッテ戦(QVC)の試合中に、西武を下した日本ハムの優勝が決定。クライマックスシリーズでも、シーズン中に日本ハムとの相性の悪さがそのままに出て敗退。3年連続日本一の夢が散った。

○松坂が日本球界復帰後、初の1軍登板も大炎上

 今季最終戦となった10月2日の楽天戦(コボスタ宮城)で、15年に日本球界に復帰した松坂大輔が復帰後初の1軍登板。15年8月に右肩手術。リハビリを乗り越えての1軍のマウンドに、登板時には楽天ファンからも大きな歓声が上がった。だが、結果は制球が定まらずに4連続四死球を与えるなど、8回の1イニングだけで5失点だった。今オフはプエルトリコのウィンターリーグに参戦。ノーワインドアップに取り組むなど、復活に向けての試行錯誤を行なっている。

○83勝しながら、まさかのベストナイン0人

 2位に終わったシーズンながら、積み上げた白星は83個。強さを見せたシーズンだったが、オフに入って発表されたベストナインへの選出は、まさかのゼロ。ソフトバンクからベストナイン選出者がなかったのは、2008年以来のことだった。

○細川が戦力外となり退団

 ファンだけでなく、チームメートにも衝撃を与えたのが、オフに発表された細川亨の退団。球団の来季戦力の構想外となり、ファームのバッテリーコーチ就任を打診された。だが、本人は現役へのこだわりが強く、これを固辞。自由契約となり、楽天への移籍が決定。来季は同じパ・リーグで敵として戦うことに。自チームのデータを知るだけに、来季は手強い相手となりそうだ。

 さまざまなことがあった1年間だったが、何よりも優勝を逃したことが、選手、ファンには堪えたことだろう。来季はV奪還が至上命令。ソフトバンクはどんな戦いを見せるだろうか。

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